大切なのは、相手に「何を信じさせるか?」である
先日、天才地政学者の奥山真司先生が、「アメリカ通信」で面白い話をされていました。
孫子は、戦略というのは究極的に「マインドゲーム」である、としていること。
つまり戦略として最高なのは、そもそも、相手に初めから戦おうとする意識を持たせないことだ、ということになります。
これはまさに物理的な城や兵器に対する攻撃ではなくて、あくまでも働きかける対象は相手の「マインド」。
もっといえば、相手の脳の中を操作してしまえば勝ち、ということになります。
「孫子が脳内操作をススメている?」
全文はこちら。
私は、「さすが再臨の諸葛孔明!」と思いました。すでに書いたように、「尖閣有事の際、アメリカは日本を守るか?」は、「実際に起こるまで誰にもわからない」。しかし、それは「最重要」ではないのです。大事なのは、「尖閣を攻めたら、アメリカは動くだろうか?」と中国上層部が考えたとき、「動く可能性が高い」と信じさせること。
だから、↓は非常に意味がある。
「中国から攻撃あれば尖閣を守る」米軍司令官が言及
朝日新聞デジタル1月28日(木)11時29分配信
米太平洋軍のハリス司令官は27日、ワシントンで講演し、中国が領有権を主張する尖閣諸島について「尖閣諸島が中国から攻撃されれば、米軍は同諸島を防衛する」と明言した。
米国は尖閣諸島が日米安全保障条約の適用対象になるとの立場をとってきたが、「中国の攻撃」に言及し、米軍による尖閣諸島の防衛に踏み込んだ発言は異例だ。
この発言を中国のトップが知れば、「そうか、アメリカは尖閣を守ると宣言しているのか…。じゃあ、手出せんな…」と考えることでしょう。というわけで、ハリス司令官の一言で、日本は少し安全になりました。
しかし、安心はできません。「日本とアメリカを分断すれば、覇権は中国に転がり込んでくる」と信じる中国は、相変わらず「反日プロパガンダ」を継続しています。私たちは、油断することなく、注意深く、傲慢にならずに進んでいきましょう。
image by: Wikimedia Commons
『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
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