絞られてきた本命。米大統領候補者「ザ・ビッグ5」ってどんな人?

 

サンダース

サンダースが03年のイラク戦争に反対した数少ない議員の1人であったことは知られているが、そうかといって筋金入りのハト派というわけでもなく、別の軍事力行使には何度か賛成し、またF-35戦闘機の開発予算にも賛成している。しかし、どちらにしても、今のサンダースは経済格差や新しい貧困に怒る若い人たちの支持を集めてクリントンを猛追することのみが関心事で、対外政策まで頭が回らないというのが実情だろう。

クリントン

となると、元ファーストレディで前国務長官のクリントンだけが対外政策に明るい候補ということになる。民主党中道の彼女には、外交政策エスタブリッシュメントの精鋭から成るチームが編成されるだろうし、オバマの過去7年間のブッシュの2つの戦争の後遺症を克服しようとする苦心惨憺の努力も基本的に継承することになろう。

しかし、資質的には彼女はオバマに比べて遙かにタカ派的で、上院議員時代には湾岸戦争を支持し、国務長官時代にはアフガニスタンへの兵力増派やカダフィ打倒を推進した。常に断固たる軍事力の行使を優先しがちなのが彼女で、それは冷戦時代と同様に米国が「グローバル・リーダーシップ」を発揮すべきだと考える古い世代の世界観・米国観から逃れられないからだと、ウォルト教授は指摘している。

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