【韓国】中国に裏切られた、朴槿恵大統領の憤怒と恨み

 

「事大一心」の伝統を持つ韓国は、実質的には「無力」であり、「他力本願の国風だと言えます。これははるか統一新羅以来の朝鮮半島の伝統です。これをどう克服するかが韓国の大きな課題なのですが、朴槿恵大統領もほとんど誰に、どのように事大するかしか考えていないようです。

これまでもメルマガで述べてきましたが、現在の韓国は清やロシア、日本の間を右往左往、右顧左眄していた19世紀末の大院君と閔妃の時代にそっくりです。

朴大統領は北朝鮮のミサイル発射の直後、アメリカが韓国への配備を求めている「高高度防空ミサイルTHAAD)」の交渉開始を決めました。これまでは中国の反対に配慮して、「THAADは配備しない」という意向だったものを大きく転換させたわけです。

これに対して中国の王毅外相は「THAADは中国を狙う剣の舞い」だと、項羽と劉邦の楚漢戦争における「鴻門の会」の故事を引用して批判しました。「鴻門の会」とは、項羽と劉邦が行った和睦交渉のことですが、この席上、項羽は従弟の項荘に剣の舞いを行わせ、劉邦を暗殺しようとしました。これに対して劉邦の軍師であった張良が気転を利かせ、劉邦の部下であった樊カイ(カイは口へんに會)をこの舞いに参加させ、劉邦を守ったのです。要するに王毅外相は、項羽をアメリカ、劉邦を中国に見立てて、「THAADでアメリカは中国を暗殺しようとしている」と言いたかったのでしょう。

THAAD:「中国を狙う剣の舞」 王毅外相が批判

また王毅外相は「司馬昭之心 路人皆知(司馬昭の心は、路傍の人でも皆知っている)」とも語ったそうです。これは三国志で有名な魏の曹操によって将軍に引き立てられた司馬昭が、4代皇帝・曹髦(そうぼう)を殺害、魏の簒奪を図ったことに由来しています。「隠していても野心はわかっている」といった意味ですが、司馬昭が魏の家臣であったことを考えれば、家臣の謀反、つまり「韓国の中国に対する裏切り」を批判しているとも受け取ることができます。

韓国人は独自のウリナラ史観(なんでも韓国起源説)をよく唱えるように、「夜郎自大の気質があることはよく知られていますが、山東省に進出した韓国系企業経営者などは、中国人の職工からも軽んじられることがあるため、トラウマを抱えていることも少くありません。そのことはメディアでもよく報じられています。

そのため、韓国社会では在韓の山東系華僑へのいじめや報復が横行しているといいます。逃げ場を失った山東系華僑は、たいてい台湾へ逃げ延びて来るため、そういう話をよく聞くのです。

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