それはともかく、頼みの中国経済が目下大減速の状態で、すでに中国につくメリットがなくなりつつある韓国です。なにしろ韓国の主力産業の20大企業グループの中核企業のうち、13社(65%)が減収で1兆ウォンを超える赤字を出しています。その分野もIT、鉄鋼、造船など、中国と競合する産業が多いのです。
とはいえ、今さら中国への傾斜をやめて、再びアメリカや日本に擦り寄っても、そう簡単には信用してもらえるはずもありません。どこからも信用されず、友邦もなく、沈んでいくだけでしょう。
韓国では今年から平昌オリンピックが開催される2018年までを「韓国訪問の年」と名づけ、日本人観光客の誘致に躍起となっています。2月17日からは東京で観光客誘致イベントを開催するようです。
一方で、ソウル市では「親日人名辞典」の購入をめぐって、市と学校との間で揉め事が発生しているようです。ソウル市は同市の中学・高校に対して、「親日人名辞典」の購入を義務付けています。これは盧武鉉政権時代に編纂されたものですが、日韓合邦時に親日的だったとする人物の行跡を紹介したものです。要するに、「新日派」を糾弾するための辞典です。朴正煕なども含まれており、韓国内でもあまりに人選が恣意的だと批判されているシロモノで、購入を辞退する学校が出たことが話題になっているのです。
上記の報道では、この辞典の中高での購入を義務付けた背景には、「ドイツでナチスの過ちをありのままに教えるように、韓国も親日について徹底的に教育すべきだ」という理由があったとしていますが、つまり「親日=悪」ということを子供に教えているわけであり、そんな国が日本人観光客をいくら誘致したところで、本当に増えるのでしょうか。
THAADの配備問題については、来週、米韓が協議を始めるようです。これに対して中国がどのような反応を見せるかということもさりながら、アメリカの韓国への態度、韓国のアメリカへの態度の変化などに注目しておくことで、今後のアジアのパワーバランスの行方が読めてくると思います。
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『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』より一部抜粋
著者/黄文雄
台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日本周辺で何が起きているかがわかる!
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