盗って汚し混ぜる。窃盗犯が明かす、バレない銅線の売りつけ方

 

彼には国選弁護士が付いていた。お年寄りらしい。彼によれば将来自分を雇用してもよいと言ってくれている人がおり、給与額も大体決まっているとのことで、弁護士に、雇用先に赴き、きちんと話を聞いてもらい情状証人で出てもらうように頼んでくれと話をしているが動いてくれないとぼやいてた。

そこであることを告げれば動いてくれるはずだと助言をし、彼がその助言に従ったところすぐに動いてくれたそうだ。何を助言したかはちょっとまずいので明かさない。

この弁護士は1号室にいる覚せい剤おじさんと2号室にいる傷害恐喝お兄さんの国選でもあったが、2人とも文句を言っており大丈夫かいなという感じだった。

さて、銅線窃盗犯は私が拘置所に移った後で拘置所に移ってきた。拘置所の私の部屋の前を、布団を持って歩いていた。彼が私に気づくことはなかったが。

 

著者/山本 至(やまもと いたる)
元弁護士。昭和29年生まれ。昭和51年早稲田大学卒業。金融機関勤務後平成元年司法試験合格、同2年司法研修所入所(修習44期)。平成4年弁護士登録(東京弁護士会)。平成18年に証拠偽造、証人威迫容疑で逮捕。無罪を主張したにもかかわらず、平成24年10月に最高裁判所で懲役1年6月の実刑判決が確定。宮崎刑務所、大分刑務所で服役し、平成26年4月出所。現在は自身の体験談などの執筆活動中。

image by: Shutterstock

 

知らなきゃ損する面白法律講座
わかりやすくて役に立つ弁護士監修の法律講座を無料で配信中。誌上では無料で法律相談も受け付けられます。
<<登録はこちら>>

print
いま読まれてます

  • 盗って汚し混ぜる。窃盗犯が明かす、バレない銅線の売りつけ方
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け