日本の猫は「ニャーニャー」、犬は「ワンワン」。でも他の国ではこうは鳴きません。各国の動物たちは同じ鳴き方をしているのに、一体どうして? オーストラリアの専門家が、この「動物の鳴きまね」の違いについて興味深い研究結果を発表しています。
なぜ国によって動物の鳴きまねは異なるのか?
突然ですが、みなさんは海外の人たちがする動物の鳴きまねを聞いたことはありますか?
まずは下の動画をちょっとご覧ください。
いかがですか?
私たち日本人がやるよりも、実際の動物の鳴き声に近いですよね?
にわとりの鳴き声は各国であまりにも違いすぎて何ともいえませんが。
日本人は、猫は「ニャーニャー」、犬は「ワンワン」と表現しますが、これは実は鳴きまねではなくて、「擬音語」であるという見解があります。
日本語はもともと擬音語が多い言語なので、動物の鳴き声も擬音語にして表現している、というのです。
それに対して、英語などは擬音語が少ないため、実際の音に近い発音をする能力に長けているという説があるとか。
各国多様な鳴きまね。でも共通点も
やはり国によって鳴きまねの違いはあります。
アメリカの犬は「Woof Woof」、フランスの犬は「Ouah Ouah」、ロシアの犬は「Hav-hav」。
各国の犬たちは同じ鳴き方なのに不思議ですね。
豪アデレード大学のデレク・アボット教授は、鳴きまねが国によって異なる理由を研究しており、面白いコメントをしています。
「国によって鳴きまねは異なりますが、共通点も見られます。たとえば小さい動物の鳴きまねを見てみると、アメリカではtweet、フィンランド語ではpiip、オランダ語で小型犬の鳴きまねはwafと言います。いずれの場合も母音が鳴きまね音の最初の方に入っているケースが多いです。しかし、大型の動物になると、母音が言葉の後の方にまで延びます。英語だとwoof、スペイン語だとguf、牛はmoo、という具合に」
「さらに、アメリカでは犬のサイズによって鳴きまねが異なります。たとえば、小型犬なら yap yap、中型犬ならwoof woof、大型犬ならbow bow。英語を第一言語にする国は犬好きが多いため、身近な動物である分、鳴きまねの種類も細分化したと考えられます。オーストラリアにはラクダがいるので、ラクダの鳴きまねがありますが、アメリカやイギリスでラクダの鳴きまねなんて聞いた事がありません。ラクダが身近な動物ではないからでしょう」
まだこの研究について結論を出す段階ではないようですが、いずれも興味深いコメントですね。
さらに最近では深海魚の鳴き声を記録して、深海でどんなコミュニケーションが行われているのかを探る研究も進められているようです。
深海で録音をするのは簡単ではないようですが、いつか私たちが各国で深海魚の鳴きまねをするような日が来るのかもしれません。
image by: Shutterstock
source by mother nature network/ I4U NEWS
文/長塚香織