続いては北海道新幹線の(今のところの)終点、新函館北斗駅です。
ここはもともと「渡島大野」という、周りには何もなかった無人駅ですが、新幹線が通るということで急ピッチで駅前開発が進んでいます。
とはいえ開業時点ではレンタカー屋くらいしかないらしいのですが、最大の特徴としてこの駅は函館市内にないという点が上げられます。
この駅が所在する場所は北斗市で、函館駅からは18.9kmも離れており、函館空港が函館市内にあるのに対し、函館市民からは「あまりにも遠い」と評価される原因になってしまいました。
そもそも北海道新幹線は東京と札幌を結ぶことが前提であるため、函館市内へ駅を作ると遠回りになってしまうため、この場所に駅を作ることになったのですが、駅があるのは北斗市内なんだから「北斗」駅にしろ!という横槍が入り、もめにもめた(?)結果、両方の名称を合体させてしまった結果、こんな長い名称になってしまいました。
個人的には「函館北斗」でよかったのでは?という気もするのですが、まぁ決まってしまった以上、札幌開業するまでの15年間(予定)はこの駅名につきあうことになります。
この新函館北斗駅では2社の駅弁が販売される予定ですが、そのうちの1社はなんと青森県は八戸駅で駅弁を販売している吉田屋さん。
しかも開業前に新宿は京王百貨店で開催された駅弁大会に出店していたという変り種。
発売時点で「未来の駅弁」を売ったのは、新幹線史上初のできごとだと思われます。
新函館北斗駅2階のお店は「お弁当カフェ」と銘打ち、その場でおかずをチョイスできる駅弁も登場する模様です。
この吉田屋を迎え撃つのは、百年以上の歴史を誇る函館駅弁「みかど」。
食堂車黎明期4業者のひとつで食堂車事業が日本食堂(現在のNRE等)に統合されて以降は構内レストランや駅弁の業者として親しまれておりました。
おそらく伝統の身欠きニシン弁当が発売されると思いますが、私も幼少期に青函連絡船の船内で食べて以来の逸品。
ぜひ食べ比べてみてくださいませ。
また北斗市ではキモかわいい?ゆるキャラ「ずーしーほっきー」や、地元アイドルグループ「北斗夢学院桜組」などのキャラクター展開も図っており、いろんな意味で異質の新幹線駅となります。
開業当日から一週間連続で歓迎イベントをやるようですので、イベント期間中はすぐ函館に向かわず途中下車してみるのも面白いかもしれません。
Image by: Wikimedia Commons
Source by: 客車隊報
「客車隊報」
著者/中尾一樹(海峡同盟 代表)
青春18きっぷやクルーズ列車等の情報を中心としたメルマガを配信中。旅行サークル「海峡同盟」では青春18きっぷで北海道に行けなくなる可能性が発生したことをきっかけに2001年に結成。最近は海峡特例を守ることを目的として、国土交通省・運輸審議会が主催する公聴会に参加し公述人として意見するなど活動を行っている。