「今年はコレが来る!」「春夏トレンドはコレ!」…いったい誰が決めてるのか?

Eugenio Marongiu/ShutterstockEugenio Marongiu/Shutterstock
 

毎年、毎シーズンごとに変わるファッショントレンド。これ、誰が決めているんだろうという素朴な疑問、持たれたことありませんか? 高城剛さんがそのあたりをメルマガでバシッと回答! さらに日本に溢れている「カワイイ」は世界的に見ると「キモい」ゾーンに突入しているという気になる「事実」も伝えてくださってます。

ファッショントレンドは誰がどう決めているの?

Question

shitumon

世界中を周り働くようになってから、高城さんのファッションは大分変わり、よく雑誌に載ってる『トレンド』とは程遠いスタイルを貫いているようにお見受けします。

そこで疑問なのですが、このファッションの『トレンド』は誰が決めているのでしょうか?

日本の雑誌やモデルが欧米ファッションを見上げて『トレンド』と雑誌で取り上げているのはよく見るのですが、欧米でいうところのトレンドは欧米ファッション業界の一部の人が談合して仕掛けているものなのでしょうか? それが日本に遅れてやってくるようなものなのでしょうか?

また私は高城さんの『トレンド無視スタイル』が逆に脱資本主義インフルエンサーの(例えば先日高城さんが滞在していらっしゃったブルックリンの人達)トレンドになってる気がするのですが、やはり資本主義どっぷりな人の『トレンド』と距離を置いている人の『トレンド』は大きく違いますか?

高城剛さんの回答

今年の冬は間違いなくダウンが流行る! などというのは、ファッションブランドが雑誌やスタイリストにお金を渡しているから起こる「流行」で、これは、ファッションには限りません。

いまは、ディズニーが「スター・ウォーズ」関係にお金をバラまいていますので、この夏から秋にかけては「スター・ウォーズ」に関連したものを、街中では多く目にすることでしょう。

このような現象は、世界的なファッション業界でも同じです。

まず、テキスタイルのトレンドがあります。

これを大手メゾンが仕掛けて、デザインに仕上がったあと、コレクションなどで各国のエディターやスタイリストを接待し、世界的なトレンドを作ります。

一方、このような業界の風潮に嫌気がさし、リーマンショック以降、21世紀のあたらしいカウンターカルチャーが世界的に台頭してきました。

このあたらしいカウンターカルチャーが60年代のそれとは異なるのは、「塊」にならずに、「個」であることにあります。

その彼らが着るのは、ブランドとは真逆にある作業服に近いような服や「ニューノーマル」と呼ばれるもので(ファッション業界的には「ノームコア」)、しかし、安価であるとは限りません。着心地の良い服は素材が良いためそれなりに高価で、これがメゾンブランドやファストファッションの次の大きな波になっているのです。

このような動きは表層的には日本にも見受けられますが、なにより大前提となる生き方や考え方のアプローチライフスタイルそのものが大事であり、リーマンショック以前(日本だとおそらく311以前)と以後のライフスタイルを抜本的に変えられているのか(仕事や住む場所も含め)、が大きなポイントになります。

ですので、2008年秋までマンハッタンの大企業で働いていた人が、2009年以降ブルックリンに移り住んで自営業を営む人が爆発的にが増え、その後に良い素材を使った一見変哲がないようなファッションが台頭することになったのです。

また、日本国内ではオルタナティブな場所は皆無ですので、結局あたらしいライフスタイルを目指す人は、外へと向かっているように見えます。

国内は、まだまだ「カワイイ」が溢れてますからね。

世界的に見ると「カワイイ」は、トレンド外どころか「キモい」ゾーンに突入しています。

takashiro高城未来研究所「Future Report」
著者:高城 剛
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
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