地に堕ちた信頼。三菱自動車の燃費不正問題を新聞各紙はどう伝えたか

 

隠蔽体質

【東京】は3面の左肩に基本情報。9面の経済面に関連記事を置いている。見出しは以下のようになっている。

  • 三菱自が燃費不正
  • 日産指摘で判明
  • エコカー減税外れる恐れ
  • 三菱自 再び不祥事
  • 法令順守 浸透せず
  • 競争の中、自社目標優先
  • 提携・日産にも痛手

uttiiの眼

《東京》の記事が強調するのは、1つは燃費競争の姿。もともと燃費が良く「庶民の足」として使われていた軽が、小型のハイブリッド車の台頭でその有利さを脅かされていた。そこにダイハツ「ムーヴ」やスズキ「ワゴンR」が30キロ以上の燃費を達成、三菱自の「ekワゴン」も不正発覚前は30.4キロと肩を並べていた。良い燃費に見せかけなければ対抗できなかったということのようだ。

もう一点、強調されているのは、こうした問題の公表過程にも影を落とす同社の隠蔽体質だ。以前のリコール隠しは内部通報がきっかけだったが、今回は提携先他社である日産の指摘によるもの、つまり、内部告発者は出なかったというこだ。さらに、この問題が社内調査で不正と認められ、相川社長に報告されたのは数ヶ月後の今月13日という遅さ。最後まで隠し通そうとしていたのではないかとの疑惑が沸いてくるが、記者はさすがにそこまでは書いていない。

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