地に堕ちた信頼。三菱自動車の燃費不正問題を新聞各紙はどう伝えたか

 

「かなり悪質」

【読売】も1面の左肩と《朝日》と同じ位置に基本情報。関連記事は2面の解説的な記事、8面と9面に跨がる大きな経済記事、さらに38面社会面。見出しを拾う。

  • 三菱自、燃費データ偽装
  • 供給先・日産が指摘 計4車種62万台
  • 意図的にデータ操作
  • 激戦の「軽」出遅れ焦りか
  • 国交省「かなり悪質」
  • VWに続く性能偽装
  • 三菱自またも不正
  • 過去の教訓生かされず
  • 業績回復の矢先
  • 外部調査で全容解明を
  • また消費者へ裏切り
  • 「自浄作用働いていない」
  • 購入者「まさか日本車まで」

uttiiの眼

《読売》はこの問題が、海外に輸出している車種にも及ぶ可能性があると書いている。軽だけではないという意味なのかは不明。また、「社内の燃費目標を達成するため、複数の開発担当者が不正に関与していた」とみられるという。

さらに2面の記事では、データ偽装はマイナーチェンジの際にも行われ、燃費の向上があったようにされていたという。このあたりのことを国交省幹部はかなり悪質」と表現しているようだ。常習的と言い換えてもよさそうだ。

2面記事は、《読売》的ディテールが大変面白い。軽自動車の市場には、普通・小型車が売れないため三菱、日産、ホンダが相次いで参入。しかし、市場はダイハツとスズキの2強が6割を占め、ホンダも18%と健闘。しかも、ダイハツやスズキは燃費がリッターあたり30キロ越えも珍しくない。三菱は上位メーカーに追いつこうとして開発現場が社内の達成目標を意識しすぎ、不正に至った、という筋書きになっている。また、三菱自と日産は合弁会社を設立し、三菱自の工場で生産してきた車種が含まれていて、日産側の不信感が高まっていると。

38面記事には、記者会見で同社の「体質」についての厳しい質問が相次いだと書かれているが、今回の不正疑惑、本当にこれだけなのだろうか。《読売》も「輸出車への波及」について触れているように、同様の不正対象が広がる可能性があるようだが、それだけでなく、さらに色々な別の問題が隠されているのではないかという気がする。3ヵ月後には社内調査の報告書が出るのだそうで、それを待つことにしよう。

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