地に堕ちた信頼。三菱自動車の燃費不正問題を新聞各紙はどう伝えたか

 

あとがき

以上、いかがでしたでしょうか。

三菱自動車が話題に上ると、いつも思い出すことがある。かなり前のことだが、知人の知人が買った三菱車、雨漏りがするので、ディーラーに相談すると、「そうなるように作られている」と開き直られてしまったという。まあ、直接知らない人のことでもあるので、話半分に聞いていたのだが、ある時、ハイヤーの運転手さんと知り合いになり、親しく話させていただいた折、試しに聞いてみた。そうすると、「ああ、三菱車は有名ですよ。トランクで金魚が飼えるって」と、もの凄い話に。実際に金魚を飼ったかどうかまでは聞かなかったが、かなり、雨漏りがするということをプロドライバーから報されることになった(今はそんなこともないだろうと思うが…)。その後、何人ものドライバーに聞いてみたが、同様の話。ついでに言うと、三菱系の会社はハイヤーの車種にもうるさく、三菱の最高級車デボネアでお迎えに上がらないと怒られると。その点、ホンダ関係は自由で、当時既にレジェンドという高級車がホンダから出ていたにもかかわらず、重役たちの送迎も「トヨタや日産で構いません」ということだったらしい。

「隠蔽体質」の裏には、「根拠のない、過剰な自負が横たわっているのではないだろうか。このあたりの古色蒼然としたところも含めて、どうやら「三菱DNA」なるものがあちこちで大暴れしているような気がする。困ったことだ。

image by: TK Kurikawa / Shutterstock.com

 

uttiiの電子版ウォッチ』2016/4/21号より一部抜粋

著者/内田誠(ジャーナリスト)
朝日、読売、毎日、東京の各紙朝刊(電子版)を比較し、一面を中心に隠されたラインを読み解きます。月曜日から金曜日までは可能な限り早く、土曜日は夜までにその週のまとめをお届け。これさえ読んでおけば「偏向報道」に惑わされずに済みます。
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