自滅する中国。戦略的勝利だった「中国1.0」から何が起きたのか?

 

「中国1.0」と日本史

中国の「成功」と「失敗」。これは、日本にとっても「他人事」ではありません。

1868年の明治維新で世界に登場した日本。1905年の日ロ戦争勝利まで、特に米英を敵にしないよう、用心深く歩んできました。1905年時点で、イギリス政府もアメリカ政府も、「極東の平和は、日本、イギリス、アメリカの事実上の同盟関係によって守られるべきである」と認識していた。

ところが、ここから(09年の中国のように)日本の態度が変わっていきます。1905年、ハリマンの「南満鉄共同経営」提案を断り、アメリカを親日から反日に変えてしまった。第1次大戦中、同盟国イギリスの「陸軍派兵要求」を断りつづけた結果、日英同盟を破棄されてしまった。全世界から満州国建国に反対され、国際連盟を脱退してしまった。こうして日本は、力をつけるにつれ、「国際世論を無視するようになり孤立して破滅しました。

私たちは、中国と過去の日本の教訓を活かさなければなりません。自虐史観から脱却するのは、めでたいこと。

しかし、それは「いつでもどこでも強く自己主張しろ!」「他国の意見など気にせず、貪欲に国益を追求しろ!」というのと、関係ありません。ルトワックさん的にいえば、「戦略的ロジックを発動させない戦略が最上なのです。

平和的台頭」というのは、「平和ボケ・リベラル」の「夢想」と思われがち。しかし、「世界三大戦略家」のルトワックさん「お勧め」の戦略でもあること、知っておきましょう(もちろん、「摩擦を起こさないために、「慰安婦問題のウソ」「南京大虐殺のウソ」も認めてしまいましょう」とか、極論をいっているのではありません。念のため)。

 

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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