で、三番目の「媚びる」です。
これは気の弱い人向きでストレスが溜まります。
自分を徹底的に抑えて相手に合わせなくてはならないからです。
常に相手の顔色を窺い、決して反論せず、言われるがままに従順に振る舞う。
私のような性格の人間にはとてもじゃないけど無理ですが、もともと自己主張が強くなくて温和な性格の人にはこちらが向いてます。
でも、もうすでにハブられてるのにこれからどうやって媚びるんだ、と思うかもしれませんが、それなりに方法はあります。
イジメの黒幕ではなく、その周囲にいる人たちの中から親切そうな人を二人ほど選び(いなければ一人でもいいですが)、泣きながら真剣に訴えるのです。
この時、できるだけ同情を引くように、思いっきりメソメソしてください。
そして、自分がどんなにつらいか、どんなに傷ついてるかを涙ながらに伝える。
くれぐれも親切そうで人の良さそうな相手を選んでください。
とにかく同情させて味方につけるのです。
相手が「かわいそうだから少し優しくしてあげよ」と思わせたら、こっちのもんです。
あ、言っときますけど、この時に絶対に男の人を選んではいけません。
どうせ女同士のイジメ問題なんか男にはわからないのでろくなアドバイスも聞けませんし、こういうことに男がからむと話がややこしくなるからです。
さて、まんまと同情させたら、あとは彼女たちにひたすら媚びます。
いつも笑顔で温厚で、会話の時には必ず聞き役に回り、相手がもっとも言って欲しそうな言葉を返します。
愚痴を言われたら「そうね、大変ね」と心から同情するふりをし、風邪をひいたと言われたら心から心配しているふりをし、何なら誕生日もちゃんとメモしてチョコか何かをプレゼントするくらいの気の配り方をします。
はっきり言って、これが一番疲れる対処法ですが、この対人スキルを完璧にマスターすれば怖いもの知らずです。
この対人スキルは男性にも有効なので、ここぞといった時にお使いください。
日頃からやってると板についてるので、自然にこのような人当たりのよい対応ができるようになり、男は「いい子だなぁ」と鼻の下を伸ばします。
私にできるアドバイスは以上です。
あとは、ももかさんが自分に合った方法をこの中から選んでください。
頑張ってね!
source: 中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話
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『中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話』
著者:中村うさぎ
週刊文春連載『ショッピングの女王』『さすらいの女王』に続く新女王シリーズ『女王様のご生還』が読めるのは当メルマガだけ! 女王様の気まぐれで自筆挿絵付?その他、中村うさぎ本人から回答させていただく『中村うさぎの人生相談』、10年の時を経て中村うさぎ本人による新たな解釈を加えて大幅加筆された『週刊四字熟誤』など、中村うさぎがフルパワーでお届けいたします。
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