【UFO】ついには国会にまで。軍事アナリストが語る最新UFO事情

 

でっち上げや誤認も多いが…

Q:まあUFO(=Unidentified Flying Object アンアイデンティファイド・フライング・オブジェクト)、つまり未確認飛行物体との遭遇ですから、相手が何ものか確認できず正体不明なのは当たり前ですし、遭遇したと証言する人が、嘘をついているわけではない場合が少なからずあるでしょう。ただし、その何かが自然現象や航空機・衛星など人工的な現象であるケースと、証言者の頭や身体の中で起こっている(たとえば本当に多数の光る物体が、存在しないのに見えている)ケースがほとんどでしょうね。

小川:「ウィキペディアの『未確認飛行物体』という項目を見ると、さまざまな事件が並んでいます。目立ちたいとか、メディアなどに話を売って金銭を得たいといった理由で、証言者がでっち上げた事件が少なくありません。それから誤認がとても多いようです。日航ジャンボ機UFO遭遇事件と開洋丸UFO遭遇事件については、前者は自然現象、後者は軍事演習の誤認で説明がつきそうに思います」

「ただ、私もよく知っている佐藤守さんは『何度も見た』と証言しており、嘘をいっているとも思えません。たとえば、ひたすら座禅を組み厳しい修行を重ねていると、あるとき、ものすごい光を本当に見るということがある。しかし、それは脳内の現象として説明がつく、とも考えられているわけですね。UFOとの遭遇を語る人には、そのようなことが起こっているのかもしれません」

未確認飛行物体(Wikipedia)

Q:ここ20年ほど宇宙の観測がめざましく進み、宇宙の年齢は約137億年とか、アンドロメダ銀河との距離は250万光年(宇宙最高速である光のスピードで250万年かかる)あって秒速約122kmで接近中とか、いろいろなことがわかってきた。空飛ぶ円盤がどこから来てもよいですが、何十年かの間に何回も来るはずがない。そもそも彼らは、なぜ地球を「発見」することができるのか。地球から宇宙に出ていった人工の光や電波は、まだ100光年くらいの距離までしか届いていないでしょう。人類が電波を使うようになってから、それくらいの時間しかたっていませんからね。その電波を受けた異星人が地球を『知的生命体がいる星』と認め、地球を訪れようとしても、光のスピードで100年後ですよ、到達するのは。

小川:「それもそうだし、そもそも地球を訪れることのできる高度な文明を持つ異星人のくせに、人類に何のコンタクトも取らず、航空機と並んで飛んでみたり、いきなり消えたりするのは、奇妙ですね。地球でも月の裏側でも、彼らが秘密基地をつくって隠れなければならない理由が見つからない。いきなり攻撃してくるほうが、まだわかる(笑)」

「まして、異星人の遺体なるものが人類、それもたかだか数千年前のミイラなんかに似ているのもヘンですね。地球上だけを見ても、人類に似ていない生物(動物や植物)のほうがはるかに多い。違う星の出身なのに人類によく似ているというのは、考えにくい偶然で、結局は想像力に限界のある人間が自分に似せて異星人像をつくった結果でしょう」

「しかし、何か正体不明のUFOと遭遇した、あるいは見たという人がいる以上、それが何であるかを解明する取り組みを、政府機関JAXA(宇宙航空研究開発機構)のような組織が担当してもいいだろう、と私は思います。その研究のなかから、何か新しい発見があるかもしれませんからね。夢を持つのは大切なことです」

聞き手と構成・坂本 衛

image by: Shutterstock

『NEWSを疑え!』第407号より一部抜粋

著者/小川和久(軍事アナリスト)
地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。
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