ギリシアが借金を踏み倒したら、どんな阿鼻叫喚が待っているのか?

 

ユーロ離脱

事実上のユーロ離脱が決まるのは、ギリシア政府が、新ドラクマを発行し、国民がそれを受けいれ、国内の買い物で流通したときです。

しかし、ドイツは、ユーロ離脱(新ドラクマ発行)にまでは至らせないために、ギリシアの銀行への、ECBからのELA(緊急流動性支援)は続ける予定です。

VAT(付加価値税)の引き上げ、年金のカット、公務員の削減という財政緊縮策を、ギリシア国民が受け入れるかどうか。ギリシア国民の70%は、ユーロからは絶対に離脱すべきではないとしています。

ドラクマに戻れば、ユーロよりはるかに弱い通貨ドラクマで払われる実質の賃金は、1/2や1/3に下がって、預金も年金も、ドラクマになって上がる物価に対し実質的には減って、貧困になるからです。
(注)実質=名目金額-物価の上昇

このため、ユーロ離脱にもつながる財政緊縮策を受け入れる可能性もあります。現在、各国の機関が、投票結果を予想していますが、結論は50:50、つまり、「わからない」ということです。

国民が共通にもつのは、

  1. ユーロは離脱したくない、かと言って
  2. 緊縮策は受け入れたくない

という、正反対の矛盾した要求だからです。

緊縮策が通った場合、緊縮策に反対しているチプラス首相は辞任すると言っています。

国民投票の後も、混乱が続く

おそらく、

  • CDSを発動するデフォルトと認めるかそうでないか
  • 銀行へのELA(緊急流動性支援)は続けるのかやめるのか
  • 債務返済のリスケジューリングに応じるかそうでないか

などをめぐって、YESとNOが入れ替わる混乱が続きます。

最終的な決定は、ギリシアがユーロに残ったまま、対外債務が70%カットされ、残った債務の返済もリスケジューリングされることと考えています。

そして、次の問題は、「FRBの利上げが9月か12月」に移って行くでしょう。

今、もっともおおきな懸念は、5,000から4,000に下がった中国の株です。今日(6月30日)は、3,800の底値から4,200へと10%急騰しています。原因は、政府からの緊急の買いでしょう。

[参照] 中国 上海総合指数 アジア株価 リアルタイムチャート

image by: Shutterstock

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