悪魔も怯む大量の麺。大魔王は宮崎でうどんに溺れる夢を見るか?

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宮崎県内で悪逆非道の乱れ食いを続けている『ママチャリで日本一周中の悪魔』こと大魔王ポルポルさん。日南市で「カツオ炙り重」を食べた後に向かったのは、宮崎市にあるデカ盛りで有名なうどん屋さん。これまで数々の大食いチャレンジに挑み、ことごとく敗れ去っている大魔王ですが、今回こそは汚名返上となるのでしょうか?

盛りは豪快だがお味は優しい「将軍盛り」うどん

宮崎市には「百姓うどん」という有名なうどん屋さんがあるという。

一見、いたって普通のうどん屋なのだが、そこでは「将軍盛り」という変わった頼み方ができ、なんと10人前のうどんが出てくるのだそうだ。

こんなものを頼めば食べきれなくて、まさに地獄の始まり。魔界でも有名なお店である。

「うどんに溺れる夢が見たい」

我輩はそんな夢を叶えるために、ママチャリでその店を目指していた。

前回カツオの炙り重を堪能した日向市から、百姓うどんのある宮崎市までは、ママチャリで進むと3日ほどかかる距離がある。普通ならママチャリでは行かないような行程を、我輩はひたすら走り続けた。闇のオーラを身にまといながら……。

我輩の進撃に呼応するかのように、ママチャリが進む国道220号線は、雨雲という闇で覆われていく。

「ガッハッハッハッハ!! 我輩の征服活動により、ニンゲンどもが恐怖に満ちてきているぞ」

降りしきる雨は、やがて激しい豪雨に変わる。これでは、うどんを食べる前に体力が尽きるかもしれない。……しかし我輩は、それをも覚悟のうえで、宮崎市へと向かっていたのだ。

「なぜ天気は我輩に味方しないのだ!! ガッハッハッハッハ!!」

額に刻まれた「魔」の文字は、いつしか雨に濡れ消えてしまっていた。

 

勢いと威勢だけでママチャリを3日間も漕ぎ続け、それが功を奏したのか、宮崎市にたどり着く頃には雨がようやく止み始めた。

「腹がへった……」

その思いしかない。そのまま急いで宮崎市にある百姓うどんに向かった。

「我輩の疲れた心を癒すには、糖分を摂取することに尽きる。ガッハッハッハッハッハ!! 今に見ていろ!」

巨大な胃袋を持った我輩にとって、大盛りだろうとなんだろうと朝飯前である。これまでも博多で「バカ盛りのトルコライス」を、佐世保では「超巨大バーガー」を征服してきた。

しかし、我輩はどれも店内では完食することができず、お持ち帰りでの完食という結果になってしまっている。だが、今回は完食する自信がある。それは我輩が麺類好きだからだ。門司港では「瓦そば」をペロリと平らげたからな。

そんなことを考えながらママチャリで走っていると、ついに我輩は「百姓うどん」の前にたどり着いた。ただお昼時だったので、店にはたくさんの先客がいるようだ。

「魔族の我輩より人間が先に食べるとは何事だ! どけ! 席を空けるのだ!!!」

……そう思ったが、店が混んでいるのは仕方がない。近くのコンビニで30分ほど立ち読みをして、お客さんも減り始めているのを見計らって、再び店へと向かった。

「ガッハッハッハッハ!! ようやく我輩の夢である、うどんに溺れる夢が叶う時が来たのか!!」

恐怖のオーラを放ちながら、我輩は店へと入ろうとする。ところが、店の前にママチャリを止める場所がない。

「ん……。完全にふざけている。ママチャリを止める場所はどこだ!!」

我輩は怒り狂った。せっかく1年かけて大阪から来てやったのに、ママチャリを止める場所がないとは何事だ!!

我輩は店の扉を思いっきり開け、怒鳴りつけんばかりの勢いで入っていく。そして、店員さんにひと言物申した

「すみません……どこにママチャリを止めればいいですか?」

店員さんは白塗りの我輩に気づき、大いに驚いたようだった。

「え!! 邪魔にならない場所に止めてもらっていいですけど、あなた……人ですか?

店の中は違った意味での恐怖に包まれた。

 

ママチャリを店の周りの邪魔にならない場所に止め、我輩は再び店内に入る。

店員さんはまだビックリしていた。「百姓うどん」の開業以来、悪魔が来店したのは初めてのことだそうだ。厨房の中には「今日は良いことがあるぞ!」と、我輩に向かってお祈りをしている者もいる。

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ところでこの店だが、うどん以外にも名物がある。それが「スカイツリーかき氷」だ。

なんと氷を2キロも使い、その高さは63.4センチ。これは東京のスカイツリーの高さ634メートルにちなんだ高さで、この界隈では“宮崎のスカイツリー”と呼ばれているんだそうだ。

ただ、我輩が訪ねたのはまだ夏前ということで、「スカイツリーかき氷」はまだ提供されていないようだった。というわけで、初志貫徹で「将軍盛り」のうどんを頼むことにした。

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うどんに溺れる夢はどうでもいい。とりあえず、おなかがペコペコだ。早く食べたい。

すぐさま店員さんに「早く用意しろ!」と言いたいところだが、我輩は小心者だ。「すみません! 将軍盛りをひとつ!」と言いつつも、「……そんなに大盛りで無くて大丈夫ですよ。ちょっと控えめでお願いします」と注文した。

しかし店側からすると、せっかく大阪から来てくれたのだから、ドンと振る舞いたいという気持ちもあるのだろう。我輩の前には、明らかに10人前を超える大量のうどんが巨大な丼いっぱいに入った「将軍盛り」が運ばれてきた。

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大阪から1年かけてママチャリでやってきた甲斐があった……そう信した瞬間だった。

 

しかし我輩は、そのうどんの豪快な盛りを見て、感動とともに恐怖に慄いた。

「食べ残したら炎上しそうだ……」

以前、徳島で「徳島ラーメン」を食べた時、テンションが上がりすぎたのかラーメンに生卵を13個入れてしまい、「食べ物を粗末にするな」「食べ物を残すな」と某掲示板で炎上したことを思い出してしまう。

超大盛りのうどんを見て、顔が固まっていく我輩に気が付いたのか、店員さんは優しく言い出した。

「このうどんは10人前入ってるので、ゆっくり食べてくださいね」

気遣ってくれたのは嬉しいが、我輩が食べられないと悟られるのはだめだ。我輩は言い返した。

「そ……そんなことはないぞ! 我輩は食べれる!」

しかし、心の中では「この人……優しい!」と思いつつ、我輩はうどんを食べ始める。

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やや柔らかめのうどんを箸でつかみ、一気に啜り込むと、出汁の優しい味が口の中に広がる。美味しい、としか言いようがない。風邪をひいたときに食べてみたい、そんな味だ。

我輩は鼻歌交じりで、うどんを食べ進めた。しかし、美味しいと思ったのは約2人前までだった。それ以上食べると腹がいっぱい。ただの地獄だった。「うどんで溺れる……」我輩は本気でそう思った。

「ガッハッハッハッハ!! うどんごときが我輩を苦しめるとは良い度胸だ!!」

うどんに向かって独り言ばかり言っている我輩を見てかわいそうに思ったのか、店員さんが近づいてきた。そして丼に残っている大量のうどんを見て、優しく声を掛けてきた。

持って帰るかい? いいよ。準備してあげる。」

この店のうどんは、食べきれない分をテイクアウトできるのだ。

どう考えても、これ以上は無理のようである。「10人前のうどんを食べるのは、大魔王でも無理」ということを身をもって学んだ我輩は、大人しくうどんを持って帰ることにした。

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店員さんへ丁重にお礼を述べ店を出ると、昨日までの豪雨が嘘だったように、空はすっかり晴れ渡っていた。体力も回復して、我の魔力も完全に回復。元気もりもりだ。

「気を付けてくださいね。地震もまだ続いてますから……」

店員さんは我輩に向かって言う。

美味なるうどんと宮崎県民の優しさに、すっかり骨抜きになってしまった我輩。優しいニンゲンに溢れているこの宮崎の地を支配することを諦め、次なる目的地である大分県へと向かって、再びママチャリを漕ぎ出したのだった。

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DATA:
百姓うどん
TEL:0985-53-6759
住所:宮崎県宮崎市大塚町乱橋4502-1
営業時間:7:00~19:30
定休日:火曜日

 

『大魔王ポルポルの日本征服の旅』
著者/大魔王ポルポル
日本一周の旅をしている大魔王ポルポルである。旅の裏側、隠れた小話など話したいことは盛り沢山!! だがしかし! タダで公開はできない。メールマガジンで日本のいろいろなことを掲載するのだ。メルマガに記載のアドレスに悩みや質問を送ってくれればメルマガで公開回答するぞ! ガッハッハッハ!!
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