現役税理士の山下久幸さんが、税金やお金の話を解説してくれる 『メルマガ顧問税理士』。今回は、読者からの「領収書がないと経費にできないのでしょうか?」という素朴な質問に回答しています。知っているようで意外と知らない、領収書と経費の関係とは? これを読めばあなたも「得する経営者」、「デキる社員」になれること間違いなしですよ!
領収書が無いと経費に出来ないんでしょうか?
Question
この前払った経費で、領収証が無いんですが、これは経費にすることは無理なのでしょうか・・・。
山下久幸さんの回答
答え『経費にすることは可能』です(*^_^*)
経費にできるかどうかの判断で皆さん間違った認識で『領収証が無いと経費にできない』と思われている方が結構多いことにビックリします。
大企業の営業マンの経費精算であれば、経理担当の方から『領収証が無いからダメです!』と簡単にアシラワれるから、そのイメージが強いのでしょう。
しかし、税金の法律に、『経費にするためには領収証が必要です。』ということは、一切書いてありません。ピシッ!(^o^)!
だから、極端な話をすれば、領収証やレシートが全く無くても、経費にするのは、何ら問題はないということです。
では、領収証とはどのような意義があるのでしょうか?それは、『客観的に相手に証明するもの』なだけです。
相手というのは、税務署が入りますが、顧問税理士や、経理の人、社長も含まれるでしょう。
スタッフが経費の精算をするのに、使ったお金を口頭で伝えられても、ちょっと精算するのは嫌ですよね(笑)
だから領収証が必要なのは、税務署に対しての客観的な証拠になるため、というのが一番の理由だと思います。
例えば、100万円の経費を現金で払って、領収証が無いのであれば、僕でも疑いますからね(^_^;)
支払ったという裏付けとなるのが、領収証なんです。
そして領収証をもわないものでよくあるのが、冠婚葬祭のお金です。
結婚式などに参加してお祝いを渡しても、領収証はもらえないですよね(笑)
だから、このような支出に関しては、『出金伝票』というものを利用します。
これは100円ショップなどで売っている伝票など、どういったものでも結構です。
これに、書いておくことは3つ。
『いつ、誰に(どこに)、いくら払ったか』
この3点セットを書いておけば問題なく経費にできます。
併せて、『どのような内容の支払いか』を書くと、より一層具体的で良いでしょう!
領収証が無い場合で他に考えられるのは、電車やバス代などの公共交通機関や、コインパーキング、自動販売機、町の小さなお店などですね。この辺りも、出金伝票で対応しましょう。
ただ、『多用しない』方が良いでしょう。
あまりにも領収証が無い経費ばっかりであれば、税務調査があった場合は、かなり疑われますからね(^_^;)
話は変わりますが、先日面白い話を聞きました。
お笑い芸人の厚切りジェイソンさんが、日本の習慣(この時は領収証)の話で、
『アメリカでは、機械で出る領収証しか信用してもらえない。
だから手書きの領収証だと「なんだこれ、子どもが書いた紙じゃねぇか」
と言われて、経費の精算をしてもらえなかったようです』(笑)
面白いですよね(*^_^*)
普通に考えれば、手書きの領収証なんて、偽造し放題ですからね。
今でも、喫茶店や飲み屋に行くと、
『金額無しの領収証でいい?』と言われるところもあります。※お店の名前のスタンプだけ押してあります。
ようは、『自分で金額いらくでも書いていいよ。』ということです(^_^;)
これは、脱税なので皆さん気をつけてくださいね。
こういった領収証をもらっても、自分で書く金額は、自分が払った金額を書くだけです。
偽造してはいけませんよ!!