音楽不況の今、なぜ日本の「BABYMETAL」は海外で成功したのか?

 

「BABYMETAL」というバンドをご存知ですか?彼女たちの曲を聴いたことある人も無い人も「とにかく今売れているバンド」「海外にも進出している」ということくらいはご存知かと思います。なぜ、「アイドルとメタルの融合」という相反するコンセプトがここまで多くの人を惹き付けるのか?メルマガ『j-fashion journal』の著者でファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんが、独自の観点で分析しています。

BABYMETALというコンセプト

みなさん、こんにちは。

BABYMETALを聞いたことがありますか。聞いた人はどのように感じたでしょうか。

僕の第一印象は、「これは天使の仮面をかぶった悪魔だ」と思いました。

でも、次第に「これは凄いんじゃないか」と思うようになり、こういうコンセプトをファッション分野にも生かせないか、と考えるようになりました。

今日は、ベビーメタルをコンセプトとして考えてみたいと思います。

世界で活躍するBABYMETAL

日本人のアイドルグループが日本で人気を集めるのは珍しくないが、海外で人気を勝ち取ることは非常に困難だ。しかし、それをなし遂げたアイドルグループがいる。それがBABYMETALである。

主な実績を紹介しよう。

2014年2月に発売された1stアルバム『BABYMETAL』は、iTunes Storeにて7ヵ国のロックアルバムチャートでベスト10に入り、米ビルボードの総合アルバムチャートに日本人最年少でランクインした。3月には、日本武道館で単独公演を行う。これが平均年齢14.7歳での開催ということで、女性最年少記録となった。

2014年7月より、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、カナダ、日本を巡る初のワールドツアーを開始。同月、「SonisphereFestival UK」ではメインステージに出演。7月中旬には、英METAL HAMMERが主催したトーナメント方式のネット投票企画「HEAVY METAL WORLD CUP」に日本代表として選出され優勝。7月下旬から8月上旬にかけて、レディー・ガガの北米ツアーにオープニングアクトとして同行した。

2015年5月より、メキシコ、カナダ、アメリカ、ドイツ、フランス、スイス、イタリア、オーストリア、日本、イギリスを巡る2度目のワールドツアーを開始。同月、アメリカの「Rock On The Range 2015」、ドイツの「Rock im Revier」などに出演。海外レーベル(インディーズ)のearMUSIC、RALと契約し、欧米でCDの販売を開始した。

6月、英ケラング!が主催する「KERRANG!AWARDS 2015」の「THE SPIRIT OFINDEPENDENCE AWARD」を日本人で初めて受賞した。

8月、イギリスで開催された「レディング&リーズ・フェスティバル 2015」のメインステージに史上最年少で出演。2日間でのべ9万人を動員した。

2016年4月1日、2ndアルバム『METAL RESISTANCE』を世界同時発売、オリコン週間チャートで2位となり自己最高位を更新。全英総合アルバムチャートで15位を記録し、日本人の最高位を41年ぶりに更新、オーストラリアのARIAによる総合アルバムチャートでは日本人初のチャートイン、7位となった。全米総合アルバムチャートでは日本人として坂本九の『Sukiyaki and Other Japanese Hits』以来53年ぶりにTOP40入りとなる。

翌日から、イギリス、アメリカ、スイス、オーストリア、オランダ、ドイツ、フランス、日本を巡る3度目のワールドツアーを開始。初日のロンドンではウェンブリー・アリーナで日本人初となるワンマンライブを開催、約1万2000人を動員し、同会場におけるグッズ販売の売上記録を更新した。また、同月5日にアメリカCBSのトーク番組「ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア」に出演し、「ギミチョコ!!」のスタジオライブを披露した。

音楽業界、ヘビメタファンの間では、「BABYMETALはまやかし」などと論争が起きたらしいが、この結果を見る限り、本物が到達できなかったステージに昇りつめたことは間違いないだろう。

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