原因は年収の低さ? 日本人横綱がなかなか誕生しない理由

原因は年収の低さ? 日本人横綱がなかなか誕生しない理由
 

大相撲初の外国出身外国籍の関取は、1967年3月場所で十両に昇進したハワイ出身の高見山である。高見山は幕内優勝1回、関脇止まりの力士であったが、人気は抜群で、私見によれば、後に大関、横綱に昇進した何人もの外国人力士を凌駕して、大相撲史上、最も人気のあった外国人力士だと思う。それはものすごい数のCMに出演していることからも明らかだろう。CM横綱という異名もあるくらいだ。高見山がなぜ人気があったかというと日本人のトップ力士より弱かったからだ。横綱輪島からは7個の金星を奪ったが(対輪島戦は19勝24敗)大鵬には11戦全敗、北の湖には8勝35敗だった。判官贔屓がパトリオティズムを上回ったのだろう。

高見山を嚆矢として、その後続々と外国人力士が大相撲に参入することとなった。外国人で最初に横綱を張ったのは曙で、高見山の弟子で同じくハワイ出身である。曙の後、貴乃花、三代目若乃花と相次いで日本人力士が横綱に昇進したが、若乃花の昇進(1998年)現在に至るまで日本人の横綱は誕生していない。若乃花の次の横綱は武蔵丸でハワイ出身、その後の、朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜はすべてモンゴル出身の横綱である。モンゴル出身の横綱は同時代の日本人力士よりはるかに強く、これが高見山に比べ、あまり人気の出ない理由だろう。こういった事情を考えれば、稀勢の里の横綱昇進を待ち望むファンが多いのも頷ける。

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