ここに来て急浮上した、トランプでもヒラリーでもない第三の立候補者

 

混乱状況で思い出されるロス・ペロー旋風

ここで、ロス・ペロー氏はどういう人物かにふれたい。かつて「ロス・ペロー旋風」を巻き起こした人。海軍を経て、IBM勤務後独立し、エレクトロニック・データ・システムズ(EDS)を創業。その後EDSをGEに24億ドルで売却し、一躍5本の指に入る大富豪となった。富豪という意味ではトランプ氏に似ているが、自社の社員がイラン革命(1979年)の際に捕らえられたのを自ら特殊作戦の専門家を雇い救出したこともある。この英雄的行為で人気を博し、「鷲の翼にのって(原題:On Wings of Eagles)」という小説や映画となったほどの人物

その人気に乗り、1992年の大統領選に独立候補として出馬。敗れたものの一時は世論調査でトップになったこともあった。その人気ゆえ、もしかしたら二大政党時代に終わりをつげるのではないかという注目も集めた。この状況は、今の混乱した状況と似ているというようにみられている。

今なお語り継がれる伝説

ロス・ペロー氏が出馬した際に選出されたのがビル・クリントン大統領。予備選時にブッシュ(ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ / ブッシュ・シニア)候補は37.4%、クリントン氏が43%、ロス・ペロー氏が20%近く獲得した。ロス・ペロー氏が出馬しなかった場合にはその票がブッシュ氏に入り、ブッシュ氏が再選した可能性があったかもしれない。それほどの大影響を与えたロス・ペロー旋風は、いまだに語り継がれている。

今回のジョンソン氏がそういう役割を果たすのかどうかということも注目されはじめている。ロス・ペロー氏は今でいうとトランプ氏に似ているともいえる、一匹オオカミの独立した人でお金持ち。ブッシュ親子、クリントン夫妻など政治エリートとも違う。

print
いま読まれてます

  • ここに来て急浮上した、トランプでもヒラリーでもない第三の立候補者
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け