どん底の無印良品が、業績回復のために「顧客」にやらせたこととは?

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生活に必要な物は何でも揃うと言っても過言ではない「無印良品」。幅広い年齢層の支持を集め、業績も好調そのものですが、かつて営業利益が半減するなど「どん底」にまで落ち込んだ時期もあったといいます。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんは無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』で過去の経営危機を取り上げ、「その苦い経験が大きな飛躍に繋がった」との見方を示しています。

無印良品の業績好調の理由は「価値共創」にあり

「無印良品」を展開する「良品計画」(以下、無印良品)の業績が好調です。

無印良品の2017年2月期第1四半期(3~5月)決算は、売上高(営業収益)が875億円(前年同期比13.0%増)、営業利益が114億円(19.6%増)となりました。大幅な増収増益です。6月次の全社売上高は前年同期比で8.5%増と好調を維持しています。

業績が好調だった理由は、衣類・雑貨では、綿をテーマにしたカットソーや撥水加工スニーカーが好調だったことが挙げられます。生活雑貨では、「体にフィットするソファ」や「敏感肌シリーズ」が好調に推移しました。

直近10年の売上高通期は一貫して増加しています。07年は1,570億円でしたが、16年は3,075億円と2倍近くにまで成長しています。16年の営業利益は344億円で営業利益率は11.2%と10%超えを実現しました。

どん底を味わった無印良品

業績好調の無印良品ですが、実は、同社は過去に経営の危機を迎えたことがあります。2001年から2003年にかけて業績が悪化しました。01年は、営業利益が前年同期比13.8%減となりました。02年は、売上高は増加したものの、営業利益は52.4%減と大幅な減益となってしまったのです。03年には、好調だった売上高が前年割れ(4.0%減)となっています。

業績悪化の理由は、成長への慢心、経営戦略の間違いなどが挙げられますが、最大の理由は、消費者が求める価値ある商品を提供できていなかったことにあります。

業績悪化に対して、無印良品は様々な施策を講じていきました。不採算店舗の閉鎖・縮小、不良在庫の処理、人材育成の改革、組織体制の抜本的な変更などを断行していきました。そして、業績悪化の一番の原因であった商品力の回復に向けて取り組んでいったのです。

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