パスタで「太る」は作り話。世界に注目される地中海式ダイエット

2016.07.14
 

「地中海料理」は世界無形文化遺産にも登録

先ほど出てきた「地中海式料理」は、オリーブオイル、魚介類、フルーツ、野菜を多く摂る地中海地域で暮らす人々の食生活の基本です。

2010年に世界無形文化遺産に登録され、健康に良い料理であることも公に認められた形となり、注目されています。

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image by: LiveWell

地中海式ダイエット(食事法)は、全9層の食物グループから構成されるピラミッド図を基本にした食事法で、各グループの食物の適正な割合はどのくらいか、摂取されるべき頻度はどの程度かが、一目でわかる仕組みです。

そして、パスタを食べるときは同時にトマト、トマトソース、玉ねぎ、にんにく、オリーブオイル、チーズや米をたくさん摂取しています。

つまり、地中海料理はこのピラミッドのメソッドに基づいた摂取をしていることになるのです。

しかしながらイタリア人は近年、このような代表的な地中海食材を摂る機会が減ってきており、代わりにアメリカ的な赤み肉や精製された砂糖の誘惑に押されつつある、と研究者は指摘しています。

「パスタは非常に理にかなった食べ物なのです。ただし、それは“どれだけ食べるか”と“何と一緒に食べるか”で大きく変わるのです。食べ過ぎればやはり体重は増加しますから」
(1990年代半ばから地中海式ダイエットを研究しているニューヨーク大学のMarison Nestle教授)

このパスタの研究については様々な反応が。

 「これって、パスタの会社が研究のスポンサーなんじゃない? ホントに私の体重減るのかしら」

「この記事は、GI(グリセミック指数)について何も言っていないのが驚きだわ。パスタは低GIな食品で肥満や2型糖尿病に効果があるのよ。プレーンなパスタだって低GIなんだから」

パスタはイタリア料理の大黒柱ですが、“高カロリーで太りやすいもの”ではないようです。

「気になるカロリー」と「もっと食べたい!という欲求」のバランスを取ってくれる食品といえそうです。

様々な議論がありそうですが、日本人にとってもパスタは身近な料理ですから、これが本当なら嬉しいニュースですよね。

全体のバランスを重視する「地中海式ダイエット」のようなメソッドも食生活に取り込んでみるのもいいのかもしれませんね。

Image by: Shutterstock

Source by: ワシントン・ポスト, LiveWell

文/桜井彩香

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