中国高速鉄道はなぜ信頼されないのか? 車両設計にある大きな矛盾

 

ではハードウエアについては、どうでしょう?

まず車両です。中国の高速鉄道は、日本の「E2系」をベースにしたもの、ドイツのシーメンスからのもの、フランスのアルストムのモデルがベースのもの、カナダのボンバルディアのモデルがベースのものがあるわけで、それを独自に次世代に発展させていたりしています。

どういう「発展」をさせているのかというと、高速化です。基本設計はオリジナルのままでモーターを強くし、ギヤ比を変えて300キロとか、350キロでの営業運転を可能にしているわけです。例えば、日本のE2系の場合は、日本国内仕様の営業最高速度は275キロですが、その派生型である中国のCRH2や、CRH380は350キロとか380キロ運転という仕様です。

この高速化ですが、オリジナルのモデルよりも高速で走らせることですぐに問題が出るということはないと思います。日欧ともに原型モデルの空力特性は相当に詰めてあるはずですし、車体の強度などを考えても問題はないと思います。無理に350キロで走らせることで、車体が浮き上がって脱線するとか、部品が脱落するという可能性は少ないでしょう。

350キロの世界になると、パンタグラフと架線の間では乾燥時でも相当なスパークが起きますが、これも新幹線の屋根が耐火性になっているので、火花が飛び散って燃えるということはないと思います。

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