ドーピング不正で揺れるロシアで、またもプーチン人気が上がるワケ

 

ロシアは、「アメリカ陰謀論」一色

では、ロシアではこの問題、どのように報じられているのでしょうか?

まず、「ドーピング問題があったこと」は、ロシア側も否定していません。焦点は、「国家ぐるみ」(スポーツ省、諜報機関FSB、ドーピング検査機関)でドーピングが行われていたのか? です。

ロシアは、「国家ぐるみをはっきり否定しています。ロシア側の主張は、モスクワ反ドーピング研究所の元所長ロドチェンコフは、

  • 自分で禁止薬物を選手に勧めていた
  • 選手は所長の勧めで禁止薬物を服用し、ドーピング効果で、よい結果を出した
  • 検査機関の所長が「ドーピング検査」をするので、検査結果は、常に「シロ」だった
  • ロドチェンコフは、この仕組みにより、大金を稼いでいた
  • ロドチェンコフは、アメリカ当局と取引し、「国家ぐるみ」ということにした(ロシアを陥れるため)

とまあ、こういう解説になっています。

ロシア国民は、WADAとロシア政府の説明、どっちを信じているのでしょうか? これは、「ロシア政府の説明を信じているのですね。

ロシアでは、2014年3月の「クリミア併合」後、アメリカが経済、軍事分野のみならず、「あらゆる分野」(たとえば、スポーツも)で「ロシアいじめ」をしていると、100%信じられています。今回のスキャンダルも、「アメリカによるロシアいじめ」「情報戦争の一貫」として認識されている。

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