ドーピング不正で揺れるロシアで、またもプーチン人気が上がるワケ

 

プーチン自身は7月18日、以下のような声明を出しています。

スポーツへの政治的干渉の危険な再開を目の当たりにしている。干渉の形は確かに変わったが、スポーツを地政学的圧力、国とその国民の悪いイメージづくりの道具にするという本質は昔と同じ。

「スポーツへの政治的干渉」
「地政学的圧力」
「国と国民の悪いイメージづくりの道具」

これはつまり、「アメリカがスポーツを通しロシアとロシア国民のイメージを失墜させている」という意味です。

読者さんから、「国家ぐるみの犯罪がバレ、プーチン政権も終わりでしょうか?」と質問をいただきました。普通は、そう考えますよね。しかしそれは、「国民が、『国家ぐるみのドーピング』を信じている場合」です。

ところがロシア国民は、「ロシアは何も悪いことをしていないのにアメリカにいじめられている」という認識。それで、「かわいそうなプーチン、もっとがんばって!!!」という意見。「ロシアドーピングスキャンダル」でも、逆に人気をあげてしまうプーチン。ネット風にいえば、まさに「おそロシヤ」ですね。

image by: Ververidis Vasilis / Shutterstock.com

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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