トランプ対ヒラリー、なぜ米国はこんな「究極の選択」になったのか?

 

現状維持勢力の「グローバリスト」ヒラリー

一方、ヒラリーは、オバマ路線を継承するであろうグローバリスト」といえるでしょう。ヒラリーさんのスローガンは、「Stronger Together(一緒の方が強い)」です。これは、「アメリカ第一主義」のトランプさんに反対しているのです。ヒラリーさん、指名受諾演説で、こんなことをいいました。

問題を直せるのは自分ひとりだけだ、などという人の言葉を決して信じてはいけない」と、トランプ氏を強く批判。

 

「アメリカ人は決して、自分にしか直せないなどと言いません。アメリカ人は『みんな一緒に直そう』と言うのです」と強調し、アメリカは権力を一手に握る権力者から独立してできた国だと指摘した。
(BBC News7月29日)

  • トランプ=アメリカ第一主義、民族主義
  • ヒラリー=国際協調主義、グローバリスト

ちなみにヒラリーさんは、「ウォールストリートの金持連中」や「TPP」を批判しています。しかし、これは本音ではないでしょう。

こう見ると、トランプさんは、トレンドに乗り、ヒラリーさんは現状維持で劣勢な気がします。関係を見ると、現状を維持しようとするドイツのメルケルさんと、民族主義のトレンドに乗るフランスのルペンさんのようです。

しかし、ヒラリーさんには強味があります。そう、「支配勢力がヒラリーさんの味方なのです。過激なトランプを恐れる、ウォール・ストリート、大企業群、銀行などは、ヒラリーの味方。ひょっとして共和党のエリートたちも「トランプよりヒラリーのほうがマシ」となるかもしれない。

というわけで、

トレンドに乗る民族主義者アメリカ第一主義のトランプさん。支配層から支持を受けるグローバリスト・ヒラリーさん。勝つのはどっちなのでしょうか?

image by: Wikimedia Commons

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
日本のエリートがこっそり読んでいる秘伝の無料メルマガ。驚愕の予測的中率に、問合わせが殺到中。わけのわからない世界情勢を、世界一わかりやすく解説しています。
<<登録はこちら>>

print
いま読まれてます

  • トランプ対ヒラリー、なぜ米国はこんな「究極の選択」になったのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け