「戦略の階層」という考え方があります。これは、私、奥山真司が「これこそが日本人に必要な発想だ!」と長年訴えつ続けている、思考のためのツールです。私がこのツールの重要性に気づいたのは、数々の戦略関係の本を翻訳したり、留学中に「戦略家」と呼ばれるような人たちの話を聞いた時です。
彼らは日本人とは決定的に違うレベルでものごとを考えています。そしてそのレベルの違いを、少なくともまずは「理解」しておかなければならない…、これを私は日々痛感しております。
日本はバブル崩壊後の目標として、長年にわたって「ものづくり」というスローガンの下に新たな経済成長を模索してきました。ところが、日本人にとってはなじみのあるこのコンセプトは、さしたる成果も挙げずにいまに至っています。それは「ものづくり」という技術レベルの話をいくら追究しても、その上の戦略レベルの「システム(仕組み)づくり」に優れている側には勝てないからです。
日本は「仕組みづくり」でも、もはや欧米には勝てないのかもしれません。しかし、それにただ盲目的にやられ続けるのではなく、その背後にある階層的な考えの本質を理解して、それに対する対抗策を考えるというのは、決して無駄ではないはずです。
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『日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信』
国際情勢の中で、日本のとるべき方向性を考えます。情報・戦略の観点から、また、リアリズムの視点から、日本の真の独立のためのヒントとなる情報を発信してゆきます。
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