メイド・イン・ジャパンが技術で勝っても、戦略で勝てないワケ

 

戦略の階層」という考え方があります。これは、私、奥山真司が「これこそが日本人に必要な発想だ!」と長年訴えつ続けている、思考のためのツールです。私がこのツールの重要性に気づいたのは、数々の戦略関係の本を翻訳したり、留学中に「戦略家」と呼ばれるような人たちの話を聞いた時です。

彼らは日本人とは決定的に違うレベルでものごとを考えています。そしてそのレベルの違いを、少なくともまずは「理解」しておかなければならない…、これを私は日々痛感しております。

日本はバブル崩壊後の目標として、長年にわたって「ものづくり」というスローガンの下に新たな経済成長を模索してきました。ところが、日本人にとってはなじみのあるこのコンセプトは、さしたる成果も挙げずにいまに至っています。それは「ものづくり」という技術レベルの話をいくら追究しても、その上の戦略レベルの「システム仕組みづくりに優れている側には勝てないからです。

日本は仕組みづくりでももはや欧米には勝てないのかもしれません。しかし、それにただ盲目的にやられ続けるのではなく、その背後にある階層的な考えの本質を理解して、それに対する対抗策を考えるというのは、決して無駄ではないはずです。

image by: Shutterstock

 

日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信
国際情勢の中で、日本のとるべき方向性を考えます。情報・戦略の観点から、また、リアリズムの視点から、日本の真の独立のためのヒントとなる情報を発信してゆきます。
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