円高に殴られたトヨタ。為替変動という「魔物」にどう向き合うのか?

 

人工知能技術の研究・開発を推進

さらに、「人工知能技術の研究・開発を行う新会社「トヨタ・リサーチ・インスティテュート」を16年1月に米国シリコンバレーに設立しました。5年間で約10億ドルを投資するとしています。また、マサチューセッツ工科大学およびスタンフォード大学と連携研究センターを設立し、人工知能に関する研究で連携していくことに合意しています。

人工知能技術は自動車産業においても基盤を担う重要技術と期待されています。ビッグデータの活用により、事故を起こさない自動車の開発を目指します。自動運転技術を利用した高度運転支援システムの開発にも利用できます。新材料探索や生産管理システムなど幅広い領域での応用に向けた技術開発も行っていきます。

トヨタの自動車は進化しています。しかし、今回の決算は減収減益となりました。為替変動の影響という不可抗力的な要素が大きな原因です。致し方ない面があります。一方で、為替変動の影響によりいとも簡単に利益が吹き飛んでしまうという現実も浮き彫りになりました。

同社は先物為替予約取引や金利スワップ取引を含むデリバティブ金融商品の利用でリスクの軽減を図っていますが、それでもリスクを完全になくすことはできません。この点に関しては、今後も難しい舵取りを迫られるといえそうです。

世界のトヨタでもつまずくことはあります。ただ、不可抗力的であっても、先物為替予約取引や金利スワップ取引などの利用で被害を最小限にしていくことが求められます。

大事なことは、生じうるリスクを予め理解しておくことだといえそうです。

image by: Nils Versemann / Shutterstock.com

 

店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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