円高に殴られたトヨタ。為替変動という「魔物」にどう向き合うのか?

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先日発表されたトヨタ自動車の連結決算が5年ぶりの減収減益となりました。絶好調とも言われたトヨタの業績に陰りが出始めたのでしょうか。無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが読み解きます。

トヨタ4~6月期は円高の影響により減収減益に

こんにちは、佐藤昌司です。トヨタがつまずいています。

トヨタ自動車の2016年4~6月期連結決算は、売上高が6兆5,891億円(前年同期比5.7%減)、営業利益が6,422億円(15.0%減)となりました。

営業利益は前年同期よりも1,137億円減少しました。原価改善の努力で900億円のプラス、営業面の努力で850億円のプラスとなりましたが、為替変動の影響で2,350億円のマイナスとなったことが大きく影響しました。所在地別では日本における影響が大きく、1,869億円のマイナスとなっています。

グループの販売台数は2.7万台増加しています。特にアジアでの販売が好調で、5.6万台の増加となっています。営業利益は224億円のプラスとなりました。アジアでの通期の販売見通しは強気の姿勢で、期首の見通し141万台から今回の見通しでは6万台増の147万台と上方修正しています。

営業利益は大幅なマイナスとなりましたが、為替やスワップ等の影響を除くと1,450億円のプラスとなります。自動車の販売において大きな問題があるわけではありません。同社の強みの一つである「カイゼン」が今回の決算でも遺憾なく発揮されたかたちです。原価改善の努力で営業利益が900億円のプラスとなったことが物語っています。

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