円高に殴られたトヨタ。為替変動という「魔物」にどう向き合うのか?

 

研究開発費と設備投資は増やす方向

同社は依然強気の姿勢です。研究開発費は近年一貫して増加しています。13年3月期は8,074億円、14年は9,105億円、15年は1兆45億円、16年は1兆556億円で、17年見通しは1兆700億円としています。

設備投資も近年一貫して増加しています。13年は8,527億円、14年は1兆7億円、15年は1兆1,774億円、16年は1兆2,925億円で、17年見通しは1兆3,400億円としています。研究開発費と設備投資ともに増加させる方向です。

同社にとって研究開発と設備投資は生命線といえます。特に「環境性能の向上」や「安全性能の向上」に対する投資が必須です。

環境性能に関しては、15年12月に発売した新型「プリウス」のEグレードは40.8km/Lの超低燃費を実現しました。エンジンは最大熱効率40%を実現しています。環境性能だけでなく乗り心地のよさといった基本性能も向上しています。

安全性能では、「ITS Connect」と呼ばれる通信技術網の整備を進めています。ITS専用周波数で道路とクルマが直接通信することで、見通し外の自動車や人の存在、信号情報をドライバーに知らせます。「交通死傷者ゼロを実現するための技術開発を進めています。

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