焼肉はこうして国民食になった。北朝鮮の専門家が紐解く日本焼肉史

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今や「国民食」としてすっかり定着した焼肉。日本人のみならず、訪日外国人旅行者からも絶大な人気を誇っているのは周知のとおりですよね。そんな「日本の焼肉文化の立役者」とも言える「叙々苑」創業者・新井泰道氏の功績を、メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』の著者で『日本焼肉物語』の著作もある宮塚先生が、新井氏の著書を紹介しつつ記しています。

新『日本焼肉物語』~焼肉産業を支えた人と技~

私は1999年に『日本焼肉物語』(太田出版)を出版したが、焼肉の本と言えば焼肉のメニューを豪華なカラー本で紹介したものや、人気焼肉店の紹介などが主であった。私はこれらの本類とは一味も二味も違う、「焼肉通」としての面目躍如の本を出してみたかった。

出版後の反響は大きく、朝日新聞の書評欄でも取り上げられ、勤務校(山梨学院大学)でも「うちの先生の本が朝日新聞の書評欄で紹介されている」として、話題になったこともあった。それから早くも17年の歳月が経った。焼肉業界をめぐる情勢や環境などもこの間に大きく変わってきた。そこで、新たな視点に立った日本焼肉物語』を書くことを決意し、これから稿を進めていく。

2016年5月16日、東京の「ホテル アジュール竹芝」14階の「天平の間」で、「事業協同組合・全国焼肉協会(JY)」の「平成27年度 第5回通常総代会及び経営者・店長研修会」が開かれた。私も来賓として招かれ参加した。

会場で昵懇の関係にある「叙々苑の新井社長と挨拶したりしているうちに総代会は開かれた。開会の辞に続き会長挨拶となり、全国焼肉協会の現会長(三代目)の山口悟氏(「なべしまHD株式会社」代表取締役社長)が、壇上で開口一番に「焼肉業界はおかげさまで好調です」と挨拶された。外食産業が国民の消費動向の減少傾向によりやや低調な状況にあって、独り焼肉業界だけは右肩上がりの好調傾向にあるというのである。これについては「平成27年度事業報告書」で次のように説明した。

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