焼肉はこうして国民食になった。北朝鮮の専門家が紐解く日本焼肉史

 

「焼肉店経営を巡る情勢」として

  1. 「売り上げ状況」で「平成27年度の焼肉店の売り上げは、前年度に引き続き総じて順調に推移した。「一般社団法人日本フードサービス協会」の公表データによると、同協会員の焼肉店の売り上げは、年間を通して前年同月を上回っており、当協会の「カード決済」売り上げの状状況を見ても1店舗当たりの売り上げは前年を上回っていることが確認できる。したがって、東日本大震災の翌年から4年間右肩上がりの業況であると言える。
  2. 「牛肉価格の高騰」で「牛肉の価格についても前年度同様高値で推移した。国産牛肉は、牛の飼育頭数の減少に歯止めがかからないことや、仔牛の取引価格が過去最高値となっていることからまだまだ厳しい環境が続くものと予測される。一方、輸入牛肉については、米国がようやく供給の底を脱し、価格も下げのトレンドに入ると見られているが、大幅な原価低減にはつながらない。
  3. 「inbound効果」で、2015年の年間訪日外国人の数は1,974万人と発表された。そのうち84%がアジア圏からとなっている。その多くが寿司などの和食以外に焼肉を食べに焼肉店を訪れるという。焼肉店の売り上げがこういった外国人に支えられている側面も考察される。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けさらに増え続けるであろう訪日外国人客への対応強化が肝要である。

焼肉は今や「国民食」として季節を問わず食されるようになった。焼肉業界が好調なことは前述したが、2週間前に「叙々苑」の新井泰道社長から盆暮れに届けられる「焼肉ライスバーガー」と『叙々苑「焼肉革命」』(角川新書)が送られてきた。

「焼肉ライスバーガー」は冷凍保存ができ、独り暮らしの私には大変重宝な食料で、いつも感謝しながらいただいている。叙々苑の新井社長とは長年の付き合いで、新井社長が焼肉業界発展のために尽力していることは知っていたが、著書『叙々苑「焼肉革命」』を読んで、叙々苑が日本にある焼肉店で王者に君臨している理由が分かった。

本の帯には「焼肉を国民食にした男がこだわった味、うまさの秘密!」「美味追及・日々探求」の文句に混じって、アルファベットの「j」の文字が黄金色で高麗人参を思わせる書体が大書され、その右下に「JOJOEN」と店名がある。叙々苑の新井社長はまさに「焼肉を国民食にした男」であるが、「焼肉にかけた男」のドラマは波乱万丈であったが、その努力と熱意と情熱をみれば、「焼肉を国民食」にした新井社長の人と技が見えて来る

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