「他店より1円でも高い場合…」に隠された「値引き競争回避」のカラクリ

 

最強の戦略「しっぺ返し戦略」とは

この競技では、各専門家がさまざまな戦略を行っていきました。例えば、相手に裏切られても協調し続ける「お人好し戦略」や、ランダムに協調したり協調しなかったりする「気まぐれ戦略」などです。さまざまな戦略をコンピューターで競わせ、全部で十二万回の対戦が行われました。結果、しっぺ返し戦略が競技を制しました

この競技会は2回目も開催されました。各界の専門家がしっぺ返し戦略より最適な戦略を見つけようと様々な戦略を考案し、2回目の競技に挑んでいきました。ところが、2回目の競技でもしっぺ返し戦略が第一位の座を死守したのです。しっぺ返し戦略の有効性が世界に知れ渡ることになりました。

さて、しっぺ返し戦略とは「最初は協調する」という戦略でした。さらに、しっぺ返し戦略では相手が裏切った場合は「報復」により、相手を「協調しない」から「協調する」に転じさせることが必要になります。企業と従業員とで考えると、しっぺ返し戦略は報復することができる企業において最適な戦略であることがわかります。

話を戻します。たとえば、企業が従業員に対して「我が社は従業員を大切にしますといったコミットメントを行うことは有効的といえます。企業と従業員が協調することで利得の総和は最大化します。双方が「Win-Win」の関係を築くことができるのです。

 

店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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