「ワンセグもNHK受信料を払え」で物議。高市総務相は何がしたいのか?

 

今回の経緯を見ると、もはや「設置」と「携帯」という言葉の定義、区別には限界があり、一度、抜本的に放送法を見直す時期に来ているのではないかと思う。

さいたま地裁が下した「設置ではなく携帯できればNHKの受信料を支払わなくもいい」となると、今後、普及が見込まれるVRを体験するようなヘッドマウントディスプレイはNHKの受信料を支払う必要がなくなってくる。今回、ドイツ・ベルリンで開催されているIFAではクアルコムがSnapdragonをベースとしたVRの開発デバイスを発表している。今後は、ヘッドマウントデバイス単体にSnapdragonが載り、フルセグのチューナーもおまけで搭載されてもおかしくない。

また、レノボ「Moto Z」のようにこれからはスマホにプロジェクター機能を付加できるものも続々と出てくるだろう。自宅にいるときに、スマホにプロジェクターデバイスを接続すれば、テレビ以上に大画面の映像を視聴できるようになる。そんな環境であっても、NHKの受信料が不要で見られる可能性だってあるのだ。

タブレットにおいても、20インチクラス画面サイズのデバイスにフルセグチューナーを搭載すれば、テレビと同等の見え方でNHKを楽しむことができる。タブレットも「携帯」でき、自宅に「設置」するわけではない。これもNHKの受信料が不要という解釈になってしまう。

将来的に、多様なデバイスが登場してくることを考えると「設置」とか「携帯」という言葉だけで区切りをつけるのは難しくなってきているのではないか。

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