働き方改革はトップの考え方に左右される
モンベルのトップの考え方はスターバックスのそれと似ています。モンベルの創業者である辰野勇氏の言葉を紹介します。
辰野氏はある時、アメリカの経営者から「能力の劣る社員がいた場合でも解雇できないのは、企業が収益を上げることができないのではないか?」と質問を投げかけられた時に、「もしあなたの子供が障害を持って生まれたり、勉強ができないからといってクビにできますか?」と切り返したと言われています。
「企業の社会的責任としてCSRとよく言いますが、その第一歩は、従業員の雇用を維持していくことだと考えています。自分の会社の従業員を都合よく解雇しながら、ほかで社会貢献をするといっても、わたしは信用できないと思ってしまいます」とも述べています。
従業員満足を大事にする会社のトップの言葉として大きな示唆があるのではないでしょうか。これらの言葉から分かる通り、従業員を大切にするトップの考えと企業文化がモンベルにはあるのです。会社に大事にされれば従業員はその会社のファンになります。
強いブランド力を持つ企業の条件の一つに「社員に自社のファンが数多くいる」ということを挙げることができます。自社のファンである従業員は楽しく仕事をするでしょう。接客業であれば、仕事が楽しいと感じてイキイキと働く人は顧客を引き寄せます。そのような人が集まる集団であれば、売り上げも自然と伸びていくのではないでしょうか。
安倍首相の音頭の元、「働き方改革」は加速していくことでしょう。また、少子高齢化は加速度的に進行していきます。減っていく若年労働者の争奪戦は激化していきます。楽しくて実りのある「働き方」を提案できる企業だけが人材を確保できるといえそうです。
image by: Wikimedia Commons
『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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