エコー技師キレる
技師はひきつづきセンサーを動かします。それにしても、随分グリグリと押し付けています。そして、なんだかイライラしています。
技師「咳をして」
ちゃっこ「コホッ!」
技師「もう一回!」
ちゃっこ「コホッ!」
技師「あっちむいて」
ちゃっこ「(ゴロン)」
技師「こっち向いて!」
ちゃっこ「(ゴロン)」
技師「(センサーをお腹にグリグリグリグリ)」
ちゃっこ「(あいたたたたた)」
技師はやけに荒っぽくセンサーをちゃっこの下腹部に押し付けます。ちゃっこは「ぼ、膀胱が…」とすでにパンパンの膀胱が押されてやばそうです。
技師「赤ん坊がこっち向かないのよ!」
どうやら、赤ちゃんの向きが気に入らないようです。正面の映像を撮影したいのだけれど、赤ちゃんが背を向けています。ちゃっこに咳をさせたり向きを変えさせたりしても、それでも赤ちゃんは技師から背を向けています。モニターに映る映像は赤ちゃんの背中ばかりです。
しびれを切らしたのか、技師はセンサーをさらに激しく「グリグリグリグリ~っ!」と押し付け動かしました。すると赤ちゃんが激しく揺さぶられて手足が動きました。それは例えたら、空から落下している操り人形のようでもあり、もしくは洗濯機の中でグルングルン洗われているぬいぐるみのようでもありました。両手両足がバランバランと揺さぶられたのです。なんて乱暴な!
しかし、その様子がまるで赤ちゃんがダンスをしているようにも見えました。そんな突然の映像に、僕は思わず声を出して笑ってしまいました。
技師「静かにしていなさい!」
怒られた!技師は赤ちゃんの向きが変わらないことに完全にイラついています。