メルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』でおなじみ、NY在住の猫好き医学博士しんコロさん。現在、奥様が妊娠中で、先日はじめて「エコー検査」を受けたそうです。しかし、そこはNY。日本の産婦人科では考えられない、仰天の出来事ばかりだったとのこと。今回は、日本だったらクレーム必至の「NY産婦人科エコー検査事情」を暴露。これは、日本ではありえませんね……。
産婦人科仰天ファイル
今回は、NYの産婦人科で経験したプチ仰天エピソードを書いてみたいと思います。
それは、ちゃっこが妊娠3ヶ月を目前とした、最初の本格的なエコー検査の時のことです。検査当日、コーネル大学の病院に僕達は向かいました。受付を済ませ、エコー検査室に案内されました。ちゃっこがペロッとお腹を出すと、技師がプルッとジェルをお腹につけて、ピトッとセンサーを当てました。すると技師は顔をしかめて言いました。
技師「膀胱が空じゃないの!これじゃ見れないでしょ!」
そう、超音波検査は空気が苦手です。子宮の手前に空っぽの膀胱があると、子宮内の映像が鮮明に見えないのです。そのため、特に妊娠初期のエコー検査では水分をしっかりとって膀胱を満タンにして検査に臨むように指示されることが多いのです。
ところが、そんな指示は全くありませんでした。つまり、指示するのを病院側が忘れたのでした。しかし、ここはNYです。膀胱が空であることをこちらの落ち度として叱られてしまいます。
技師「水飲んできなさい。4杯は飲みなさいね」
そう言われ、僕達は待合室に突き返されました。そして、ちゃっこが待合室で水を4杯飲んでお腹がタプタプになりながら待つこと45分、再びエコー検査室まで案内されました。こんどはさっきと違う技師です。技師はちゃっこのお腹にセンサーを当てると、開口一番言いました。
技師「膀胱が空じゃないの!これじゃ鮮明に見れないわ!」
しんコロ「指示通り水4杯飲んできましたよ」
技師「4杯?本当に4杯飲んだの?」
しんコロ「飲みましたよ」
技師「飲んだようには見えないけど」
しんコロ「指示通り飲みました」
技師「じゃあ、元々脱水症状だったのよ、水分足りてないのよ」
しんコロ「(んなわけあるかいっ!)」
どうしても技師はちゃっこが4杯水を飲んだことを認めてくれません。しかしちゃっこに聞いてみると「トイレ行きたい…」というくらい尿意をもよおしているのです。それでも、技師は信じてくれません。
そんな技師に目をやると、なにやらすでに不機嫌になっています。そして渋々センサーを動かして映像をモニターに映し出しました。すると、モニターに人間らしい形が現れました!
うわ!初めて見る自分の子供の映像!時々チラっと映る体の部位に、僕達は興奮しました。「うおっ!あれはなんだ?これはなんだ?」気になりまくりです。
しかし、僕達は「はやる気持ち」を抑えてモニターを静かに見つめました。というのも、僕の友人が同じコーネルで出産をしたのですが、エコー検査の時に旦那が「アレは何?コレは何?」と色々質問したら、技師に「お前は何も知らなくていいから、質問せず黙って見てろ!」とキレられたそうなのです(苦笑)。
僕達は子供の姿を初めて見るという貴重な時に気分を悪くしたくないので、ぐっと質問を堪えて見ていたのです。