CNN創業者ターナー氏死去の裏で進む買収劇、報道の自由は守られるのか?

Atlanta,,Ga,,Usa,-,June,14,,2022:,Giant,Cnn,Sign
 

1980年に誕生したCNNは、世界で初めて「24時間ニュース」を実現し、戦争や災害、歴史的事件をリアルタイムで伝えることで、現代の報道のあり方を大きく変えてきました。その創業者であるテッド・ターナー氏の死去と時を同じくして、現在のCNNは買収問題によって“報道の独立性”が揺らぐ局面を迎えています。メルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』の著者でジャーナリストの引地達也さんは、CNNが築いてきた24時間ニュース文化の功績を振り返るとともに、現在進行している買収問題や、報道の自由・情報の民主化への影響について考察します。

米CNNの創業者ターナー氏死去、買収による報道の独立性への心配

外国メディアのニュースを目にする時、イランの首都テヘランの風景が時折、目に飛び込んでくる。

米CNNで伝えられたのは、市街地のど真ん中にある青い海を力強く掴み、握りしめる巨大な壁画。

それは、ホルムズ海峡は自らの手中にあると言わんばかりの表現で、イラン国民の自尊心を鼓舞しているようだ。

米国・イスラエルとイランの戦争報道は、多くは攻撃を始めた米国の主張を中心に語られているように見えるが、そもそもメディアで伝えられる戦争に平等性は存在しない。

ニュースの発信地や媒体によって、現象の解釈は変わるから、一方の見方を提供するに過ぎない。

それでも公平に近い報道を心がけている媒体を探してファクトを見極めようとする行動は欠かせない。

米国の場合、トランプ政権に批判的である米CNNが選択肢のひとつであろう。

その米CNNは買収問題で報道の独立が脅かされており、その渦中に創業者のテッド・ターナー氏が亡くなった。

ターナー氏は1980年に24時間、ニュースを放送し続ける世界初の放送局「ケーブル・ニュース・ネットワーク(CNN)」を立ち上げた。

当初、成功は難しいとの批判を受けるが、1981年のロナルド・レーガン米大統領への暗殺未遂事件での迅速な報道、1986年のスペースシャトル「チャレンジャー」事故ではその瞬間を全世界に知らせ、また1990~1991年の湾岸戦争で米軍のミサイル攻撃やイラクの首都バグダッドでの戦況を生中継で伝えた。

CNNが作った「24時間ニュース文化」は、ヨーロッパで1993年に「ユーロニュース」を誕生させ、韓国では現在のYTNを設立させた。

インターネットが広がる前に、24時間いつでもニュースを報じる文化は、情報を即座に市民に伝えるというニュースの民主化を形にしたものだった。
しかし日本では広まらなかった。

この記事の著者・引地達也さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • CNN創業者ターナー氏死去の裏で進む買収劇、報道の自由は守られるのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け