大人になるにつれ、分からないことを素直に認められなくなっていくもの。しかし、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者・中久保浩平さんは、知らないことを知らないまま「放置」しておいたり、ごまかしたりするのは恥ずかしいことであり、分からないことに対して正しく対処すれば信頼を損なうことはないと断言、さらに「知らない」「できない」ばかりを口にする部下が自発的に動くようになる「質問術」も紹介しています。
ビジネスマンにとって恥ずかしいこと
当たり前ですが、完璧な人などどこにもいません。誰でも習ったことを忘れたり、間違ったりするものです。たとえば、小学校で習った二等辺三角形や台形の面積や三角錐の体積を求める方程式を即答できる人って、たぶん少ないと思います。習ったこと、必死で覚えたことも時間とともに忘れていきます。そういうものです。ですので、忘れたことや、分からないことがあるというのは、誰にでもあり得ることなので、恥ずかしいものでもなんでもありません。
それより、忘れたことや分からないことを、「あっ、あれなんだっけ? まぁいいや、またそのうち調べてみよう」と、そのままにしておくことが恥ずかしいことです。
「これは分からないから、できません」
「こんなことやったことないから無理です」
「もう忘れてしまったので、それはできません」
と、してしまうことが何より恥ずかしいことなのです。またこれらと同様に
「時間が出来たらネットで調べればいい」
「休みの日に本を読み返してみよう」
「あの人に聞けばいいや」
と、先延ばしにすることも恥ずかしいことです。
コンサルティングのなかで、改善や発展のために取り組んでもらう課題をクライアントに提案するのですが、課題に対して何も取り組んでいない人に限って、「出張が続いてまして…」とか、「部下に指示したんですけど、まだ報告がなくて…」とか、「取引先で問題があり、その対応に追われて…」というようなことをいいます。
これは先述したとおり、「いかに自分に非がないかを主張しているだけ」の言い訳にしか過ぎず、とっても恥ずかしいことなのです。そして、とても恥ずかしいということにすら気が付いていないので、何も改善すらできませんし、次のステップへ進むこともできません。当然、成長も発展もないままです。
このように、分からないことや忘れてしまったこと、できないことをそのままにせず、前向きな行動へつなげるには、ちょっとしたコツがあります。それは…、忘れてしまったことや分からないこと、できないことがあれば、「だからこうします」あるいは、「でもこうします」を口癖にするのです。
「忘れたからできません。でもスグに○○で調べなおします」
「時間がないからできません。だから、時間を作るためにこうします」
「分かりません。だから○○で調べ、報告します」
このように、できない、分からないことに対して、スグに行動に伴う言葉を付け加えるようにするのです。この一言を添えることによって自己責任感も強まりますし、たとえ今は分からないからといって、相手に対しての信頼を損なうことはありません。