懸念は繰り返す
その後、ヘッジファンドの客が逃げ始めているという。一般預金者が解約すると取り付け騒ぎであるが、それとは違いヘッジファンドが逃げるということは、ドイツ銀行の儲けの中心である投資銀行部門の契約解除であり、かつ、リスクの匂いを感じ取ることを商売にしているヘッジファンドであり、徐々にドイツ銀行の儲け頭も消耗しているように感じる。
ドイツ銀行のジョン・クライアン最高経営責任者(CEO)は、このため追加資産の売却や投資銀行での一段の削減を迫られることになるが、EUはマイナス金利であるので普通銀行部門で利益は出ない。このため、投資銀行部門を強化して、普通部門を縮小するしかない。しかし、過去の投資部門の悪行で、世界的に訴訟を起こされているので、投資銀行部門でもコンプライアンス強化が必要であり、儲けを出せるかどうかであるし、デリバティブでのつまずきも大きく儲けを出せないことになっている。
残るは資産運用部門であるが、資本増強のために資産を売却する必要がある。というようにまだまだドイツ銀行の苦境は解決していない。ドイツ銀行の儲けは、どこで出すのかという課題が解決できないでいるようだ。
このため、ドイツ銀行の破綻懸念は今後も何度も浮かび上がる可能性が高い。その都度、金融株は大きく下落することになる。懸念が晴れると急上昇となるが、これを破綻までは繰り返すことになる。