ドイツ銀行よ、お前もか。日本を巻き添えにする「欧州発の大恐慌」

 

日経平均はどうなるか?

このサインが出たら、日経平均の最安値は1万4,000円台入りしてその後1万5,000円台になると想定せざるを得ない。1万8,000円台を想定する証券会社は、またも敗北する可能性がある。それに従って投資している人は負けである。この証券会社は、いつも強気であり、芸風とも言える感じであるので、リスクを見ないようである。

しかし、そのサインが出るまでは、1万6,000円台の後半と前半の繰り返しになると見える。

日経平均がそれほど下がらないのは、日銀のETF買取額が大きく、カラ売りを抑える効果があるためで、この部分では、大きな効果がある。日銀の資産買い取りは金融政策としては非常に良いと思う。

日銀マイナス金利深掘りは日本経済を壊す

しかし、日銀の問題はマイナス金利の深掘りである。黒田総裁は、マイナス金利の深掘りを表明しているので、銀行は不安視している。日本の銀行は、投資銀行を兼務できずに、普通の銀行業務しかしていない。この普通銀行部門の利益がマイナス金利政策で出ていない

このため、ドイツ銀行のように資産運用や投資ができずに、資金の貸出しで儲けを出すしかない。

このような状態でドイツ銀行の破綻が起きたら、大変なことになる。このため、日銀も当分は、マイナス金利の深掘りは厳禁であるし、銀行の健全性を確保しないと金融不安が日本にも起こる可能性が出てきてしまう。それは日本経済を壊すので、日銀としても本末転倒である。

黒田総裁は、公式的に金融不安がある間はマイナス金利の深掘りをしないと表明するべきである。そうしないと、銀行の株価が落ちて、資金不足を起こす銀行が出てくる可能性がある。

欧州のECBもドイツ銀行だけではなく、イタリアの銀行も倒産懸念が出ているので、マイナス金利政策を元に戻して、日銀と同じようなイールドカーブ政策にシフトするべきなのである。マイナス金利がEUを壊しているように感じる。

さあ、どうなりますか?

image by: 360b / Shutterstock.com

 

国際戦略コラム有料版』より一部抜粋

著者/津田慶治
国際的、国内的な動向をリアリスト(現実主義)の観点から、予測したり、評論したりする。読者の疑問点にもお答えする。日本文化を掘り下げて解析して、今後企業が海外に出て行くときの助けになることができればと思う。
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