堪忍袋の緒が切れた米国。露と戦争になれば日本はどうなるのか?

 

共闘停止へ

とうとう、米国務省は10月3日、シリア内戦の解決を目指す米ロの2国間協議を停止した。

国連安全保障理事会は10月8日、シリア北部アレッポ上空の軍用機の飛行と空爆停止を求める決議案を採決したが、ロシアが拒否権を投じて否決された。危機に歯止めをかけることができなかったのは「ロシアの責任」(英国のライクロフト国連大使)など拒否権の行使に非難が相次いだ

米国は、3つの道がある。1つが、積極的にシリア内戦に介入して、トルコ軍を地上部隊として、米軍が空爆してシリア軍、ロシア空軍を止めることである。米露の直接戦争になる可能性が出てくる。

2つが、米国は同盟国でもあるサウジなどへも賠償請求しようとしているように、中東から全面撤退して、ロシアへ中東の制御を譲る。人道危機や皆殺しは防止できないし、欧州に大量の難民が押し寄せることになる。民族の大移動を防止できない

3つには、何もしない。米国は国連などでロシアを非難するが、何もしない。オバマ大統領は、レイムダックであり、次の大統領に判断を任せる。オバマは、レッドラインを設定したが、それを超えても何もしなかったので、今回も何もしない。トランプが大統領になると全面撤退になるし、クリントンでは新しい戦争になる可能性が出てくる。

しかし、この中東の混乱は欧米が原因を作った。「アラブの春」でアサド政権を打倒しようとしたが、途中でIS国の方が問題だとテロ戦争にシフトしたことで、訳がわからなくなった。文明戦争の側面もある。

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