レストランで「お勧めは何ですか?」と聞いてはいけない深い理由

 

例えば、「この中で一番売れているのはどれですか?」と聞いたら、答えは一つです。売れている個数や金額は数値で分かるから、「これが一番です」と一撃で答えが出てきます。

私がよく聞くのは、「あなたが一番よく注文するのはどれですか?」というような質問です。これは「お勧めは何ですか?」という質問と同じじゃないか、という気もするのですが、実際に聞いてみると「私はこれですね」と、ものすごく即答で出てくるのです。

ただ、私の場合は自分の中にルールがあって、その質問をした以上、答えてもらったものは必ず選ぶようにしています。教えてもらって「そういう手もあるか……」と選択肢の一つとして考慮してしまうと、相手は大事な情報を与えてくれたのに、それを邪険にしてしまうことになるからです。

先日、美容室で髪を切って髪を洗う際に、「洗髪時に、7種類のアロマを選べますが」と言われてリストを渡されたので、「お姉さんが一番好きな香りはどれですか?」と聞いたら、「私はこれです」「じゃあそれで」とすぐに決まったんですね。

すると、その美容師のお姉さんが言うには、多くの人は、「これはどんな香り?」「これはどんな感じ?」と7種類全部を説明させて、うーんと悩んで結局「どれでもいい」と言うそうです。なので、すごく早い選択だったと驚かれました。

別に私は、何か特別な工夫をしているわけではなく、意識していることといえばただ一つ、「お勧めは何ですか?という質問をしない、ということです。これは料理などのオーダーだけではなくて、例えば「最近、お勧めの音楽はありますか?」「何かお勧めの本はありますか?」といった趣味の分野を聞くのも同じことです。

お勧めといったって、相手が違えば変わるし、たまたまつい最近のものが一番印象が強いのでそれを伝えるだけということもあります。なので、「最近はどれを買いましたか?」とか「通勤中は何聞いてます?」とか、答えが明確に絞りやすい質問にするのです。

そして、自分からお勧めを聞いたのならば、勧められたものは必ず買ったりして体験する、ということを徹底します。「へー。そうなんですねー」で終わらせない、ということも、良いものを勧めてもらう姿勢としては大事です。

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)

  • 料理店で注文を決める時の、相手の時間や情報を無駄にしない明確なルールを決めてノートに書く。
  • 他人に本や音楽などのお勧めを聞く時の、相手の時間や情報を無駄にしないルールを決めてノートに書く。

image by: Shutterstock

 

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