レストランで「お勧めは何ですか?」と聞いてはいけない深い理由

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他の人はサッサと注文しているのに、自分はなかなか決められない。仕方なく「お勧めはどれですか?」と質問したら、複数の答えが返ってきて、さらに迷うというドツボにはまってしまう―そんな経験、ありませんか? 今回の無料メルマガ『ビジネス発想源』では、著者でマーケティング戦略の指導者として知られる弘中勝さんが、一発で納得の答えが返ってくる「質問の仕方」を伝授。もうこれで自己嫌悪に陥ることもありませんよ。

お勧めを尋ねない

飲食店でメニューを見て選ぶのを迷った時、「お勧めは何ですか?」と店員さんに聞く人が多いですが、この質問はかなり効率が悪いと思っています。それはなぜかというと、「あなたが勧めたいものはどれか」と問われたら、「全部勧められるから提供しとんねん勧められないものは載せてないんじゃ」というのが本当の答えだと思うんですね。

だから、「お勧めは何?」という質問には、「これもお勧め、こちらもお勧め」と複数答えたり、「肉がお好きならこちら、魚が好きならこちら」と逆に選択肢を増やされてしまったり、いっそのこと在庫を早くはけたいものや利益率の一番いいものを教えるなんてこともあります。要するに、的を射ていない質問だと思うのです。

だから、飲食店ですぐ「お勧めは何ですか?」と聞く人は、もともと決断力が乏しいから聞いている上に、お勧めを聞いてますます決断を迷ってしまう、ということになっていきます。

そして、それだけ迷って迷って注文するから、「あんなに迷ったのに、それほど美味くない」というものに当たった時の落胆が激しかったり、それほどでもない料理を美味しいと思いこんだりと、ろくなことになりません

私は、かなりメニューを選ぶのが早いほうで、外国語が全くわからないのに、外国で現地語のメニューを見た時にも、さっさと決めてしまうほどです。それでいて、注文したものにはハズレが少なくて美味しいものに出会う確率がかなり高いので、独特の嗅覚を持っているような気がしています。独特の嗅覚は言葉では説明できませんが、少なくとも「お勧めは何ですか?」という質問はどう考えても非効率なので、しません。

では、決断に欠ける時はどうすればいいかというと、せっかく質問をするならば、効率的で効果的な質問をすればいいのです。

「お勧めは何ですか?」という質問は定義も曖昧で着地点もバラバラだから、どう考えても定点で答えられるほうが効率的です。

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