遅かれ早かれ、このジェットコースターは下降に向かいます。これは歴史が証明していて、市場はジェットコースターのように上がったり下がったりするものなのです。下降は2018年頃かもしれないし、今年中かもしれず、それは誰にもわかりません。そして、ここでヒラリーとトランプの意見が大きく違うのです。ヒラリーは「経済はうまくいっている(つまり支柱は丈夫だ)」と言っており、トランプは「経済は最悪だ(つまり支柱が折れるぞ)」と言っています。ヒラリーは「もっとジェットコースターを高くまでもっていこう」というこれまでオバマと中央銀行がとってきた方針を踏襲する姿勢ですし、トランプは逆に悲観的で「現職大統領の時に下降しちまった方がマシだ」と言っています。
今よりもさらにジェットコースターを高くするためには、さらに中央銀行がお金をばらまく必要があります。しかし、そこから急降下した時には被害がより大きくなります。まず株価が落ちてドルの価値が下がります。するとどんなことが起きるかというと、定年退職者の年金が一夜にして吹き飛んでなくなります。短いデフレの後、インフレになってドルの価値が落ちることで中流層が貧乏になることも予想されます。けれども、ウォール街のトップはそれでも儲かります。ここで何が実際に起きているのかというと、中央銀行がお金を刷りまくることは、目には見えないけれども中流層の国民から一握りの政治家や銀行のトップの人たちへ富が移ることでもあるのです。これを「見えない税金」と経済の専門家は呼びますが、そんなことは中流層や一般人は全く気付きません。気付かずうちに、富を奪われてしまうのです。
ちなみに、ヒラリーはウォール街で一回喋るだけで講演料として平均2500万円ほど稼ぐのですが、それはそれだけウォール街がヒラリーを欲している証拠でもあります。ジェットコースターを高くしてくれた方が、ウォール街は儲かるからです。でも、その支柱が崩れる時は、一般市民が犠牲になります。一方でウォール街は崩れることを知っているので、その時にはうまく逃げちゃうのです。しかし、一回しゃべって2500万円ですよ!しおちゃんがしゃべることの方がよっぽど珍しいのに!しおちゃんは無料でしゃべるどころか、幸せを与えてくれます(笑)。
話がそれました。ではトランプが大統領になったらどうなるでしょう?トランプは崩れそうな支柱のことは指摘していて、中央銀行がお金を刷りまくっていることを「政治的だ」と批判しています。少なくともアメリカ経済に関して本当の状況を語ってはいるのですが、彼もこのジェットコースターが下降するのを止めることはできないし、すでに支柱はグラグラです。次期大統領が誰であれ、遅かれ早かれジェットコースターは落ちます。そして、我々中流層が犠牲になります。