米国は本気で「鎖国」するつもりか? 孤立主義がもたらす世界の混乱

 

次の時代はどうなるのか?

「グローバリズムの死」で、ナショナリズムが蔓延るというが、現時点の世界で自国だけで生きていけるのは米国しかない。ということは、ナショナリズムではほとんどの国は生きていけないことになる。

世界経済の上では、グローバリズムは無くならずに、徐々には拡大することになる。しかし、自国民の犠牲の上で新興国の安い製品を輸入することはなくなる。多国籍企業の安い労働力を求めて海外生産した製品の輸入を米国は拒否する。この考え方は欧州でも同様になるはず。

自国消費する製品は自国で作るという思想になる。それでも、多国籍企業は健在で、消費国での生産ということになる。輸入するのは、自国では生産できない農産物、エネルギーや工業製品では高度な部品などであろう。アセンブリの部分は消費国での生産になる。

欧州も同様で、EUはグローバリズムの世界秩序上にできたので、その崩壊が起きることになる。

移民も無くなる。国境の自由な移動ができなくなる。特に文化が著しく違う民族を受け入れなくなる。これが英国EU離脱であり、英連邦の人たちはOKであるが、EUの人たちはNGとなる。米国も白人はOKであるが、ヒスパニックなど他民族はNGとなるはず。

水野和夫氏は、「トランプ後の世界は中世に回帰」というが、この意味は、中世でも、技術者はラテン語を話して諸国を放浪できたのと同じように、多国籍企業の社員は英語を話して、世界を股に掛けて歩くことになる。世界的に技術が必要であり、雇用を作るためにも技術と資本は入れる必要がある。

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