韓国国民だけでなく、米中からも嫌われた朴大統領の失態

 

アメリカに戻る

ところが、皆さんもご存知のように、日本と韓国は2015年12月28日、いわゆる「慰安婦合意」しています。これは、なんだったのでしょうか?

金正恩は2015年12月15日、「水爆実験」への許可を出した。そして、2016年1月6日、実験が行われた。朴さんは、「中国は北朝鮮から韓国を守ってくれない」ことに気がついた。

2016年2月、アメリカと韓国は、「THAADミサイル配備の交渉に入った」ことを発表しました。これで、アメリカは、「韓国は戻ってきた」という認識になった。以後、日韓・米韓関係は改善してきています。しかし、朴さんは、ボロボロになってやめていきます。

小国の二股外交と、大国のバランス外交の違いは?

日本をダシにして米中とバランスをとる」という朴さんの外交。なぜ失敗したのでしょうか?

例えば、インドは、見事な「バランス外交」を実践しています。インドは、日本、アメリカ、ロシアと良好な関係にある。そして、敵対していた中国との関係も改善させている。しかし、こういう美しい外交は、インドのような自立した大国にしか許されないのです(ロシアや中国も、もちろんバランス外交を実践できる)。

同じことを小国がやると、「バランス外交」ではなく「二股外交と呼ばれ失敗します。たとえば、韓国に似た例はウクライナです。ウクライナのヤヌコビッチ前大統領は、「親ロシア」として知られていました。しかし、浮気心を起こし、EUと「欧州連合協定」を結ぼうとした。ところがクレムリンからの圧力があり、「やっぱ署名しません!」と変心した。これをきっかけに、大規模デモが起こり、結局革命で失脚しました。

韓国も同じですね。アメリカと仲良くしながら、日本をダシにして中国とも仲良くする。ある程度まではうまくいきますが、最後に「どっちを取るんだ!?」と迫られることになります。

朴子さんは、アメリカ君、中国君、2人とデートできて幸せだった。しかし、アメリカ君からも中国君からも、「結婚しよう!」と言われ、「私は、アメリカ君も中国君も好きなの! 2人と結婚したいわ!」と言えば、アメリカ君も中国君も「ふざけるな!」となるでしょう。

こうして、「告げ口外交で知られる朴槿恵大統領は去ります。次の大統領、親日はムリでしょうが、少なくとも親米であって欲しいと思います。

 

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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