「言い返す」のが「トランプ流」
今回のアメリカ大統領選は、とても下品で低俗でした。しかし、トランプさんのおかげで非常に面白く、ロシアでも毎日のように報道されていた。
トランプさん、昔の卑猥な会話の録音テープが公開され、非常に苦境に立たされた。すると、ビル・クリントンのセクハラ被害者女性4人を集めて、記者会会見を開いた。そして、言いました。「俺は、口で言うだけだが、ビル・クリントンは実際にやっている。ビルのほうがもっと悪い。ヒラリーは、被害者の女性をいじめてきた」。すると、「いや、私はトランプにセクハラされた!」という女性が11人も出てきた。トランプは、「やつらは嘘つきだ!」と一蹴しました。
こういうやり取りを見ると、トランプさんは、「言われたら言い返せ!」「やられたらやり返せ!」という信念をもっていることがわかります。だから、中国に対しても遠慮がありません。
強力になるであろうトランプバッシングと、親中派に迫る危機
伊藤貫先生の名著『中国の「核」が世界を制す』、あるいは、全国民必読の名著『China2049(ピルズベリー)』を読むとわかりますが、アメリカの政治家(特に民主党)、メディア、大学教授の多くは、「チャイナ・マネー」で汚染されています(要するに、中国から金をもらっている)。
中国側としては、当然この人脈を使って、トランプバッシングを強化することでしょう。ただ、トランプは、選挙戦をとおして、「バッシングにめちゃくちゃ強い」ことが明らかになっています。
- (合法的に)税金を長年払っていなかったこと。
- 「私はトランプにセクハラされた!」という女性が11人も登場したこと。
日本だった完璧にアウトなケースを、サバイバルしてきた。中国は、どういうネタでトランプを叩くのでしょうか?
そして、これからトランプを叩く「親中派」、あるいは「隠れ親中派」は、「中国との裏のつながり」を捜査される可能性が出てきます。「独裁国家」中国の強さは、「国の金を使って、アメリカの政治家、学者、メディアを買収できること」です。しかし、ビジネスはともかく、チャイナ・マネー(賄賂)抜きでトランプは大統領になった。
「扱いにくい男が大統領になったのう…」
と習近平は、頭を悩ませていることでしょう。
image by: a katz / Shutterstock.com
『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
日本のエリートがこっそり読んでいる秘伝の無料メルマガ。驚愕の予測的中率に、問合わせが殺到中。わけのわからない世界情勢を、世界一わかりやすく解説しています。
<<登録はこちら>>