目覚めたオバマ
しかし、2015年3月に「AIIB事件」が起こるとオバマは目覚めました。イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、イスラエル、オーストラリア、韓国などが、アメリカの制止を無視し、中国主導「AIIB」への参加を決めた。
「親米諸国ですら、アメリカではなく中国を選ぶのか!!」
これでオバマは、ようやく「真の敵は、中国」であることを悟ったのです。目覚めたオバマは、以後「天才リアリスト」のように振る舞い始めました。
まず、2015年2月、ドイツ、フランス、ロシア、ウクライナが、「ウクライナ内戦停戦合意」に達していた。オバマは当初、ウクライナ軍に武器を与えることで、これをぶち壊そうとしていました。しかし、「AIIB事件」を受け、ウクライナ問題を放置することにします。アメリカの干渉が無くなり、ウクライナは平和になりました。
2015年5月、ケリー国務長官はロシアに飛び、「制裁解除」に言及します。つまり、ロシアと和解し始めた。2015年7月、アメリカはロシアと協力し、歴史的「イラン核合意」を実現します。2016年2月、アメリカはロシアと協力し、「シリア内戦停戦合意」を実現しました(この合意は後に破棄されました。しかし、2016年12月30日、ロシア、トルコ、イランの仲介により、「シリア停戦合意」が実現しています。今回は、「アメリカ抜き」ですべてが行われました。トランプは、「アサドは悪だが、ISよりマシ」と断言しているため、アサド政権が存続する可能性は、とても高くなっています)。
このように、「AIIB事件」後オバマは、
- ロシアと和解し
- ウクライナ問題
- シリア問題
- イラン核問題
を解決しようと努力し、かなりの成果をあげた。
一方で、中国による「南シナ海埋め立て問題」を大騒ぎし始め、対決姿勢を強めていきます。2015年9月、訪米した習近平を冷遇し、米中関係悪化が誰の目にも明らかになった。
しかし、米ロ関係は現在、再び悪化しているように見えます。アメリカ大統領選が近づくにつれ、両国関係は悪化してきた。その理由は、「ヒラリーを勝たせるため」だろうと思います。ロジックは、
- トランプは、「プーチンとの和解」を明言している
- そのプーチンは、「悪魔のような男」である
- トランプは、「悪魔」の「傀儡」である
- だから、ヒラリーに投票してね!
そして、選挙後も、オバマ政権は、プーチン批判を続けています。「プーチンがアメリカ大統領選の結果を操作した」というのです。