やっぱり1位はあの作品。「映画野郎」が選ぶ2016年ベストテン!

 

原口:『シング・ストリート 未来へのうた』は、最近駆け込みで見たんだけど最高だった。80年代の英国系ロックが好きかどうかという好みと「世代モノ」としての共感も多分にあるけど、青春映画としての出来も抜群だったと思う。

小川:あ~、ボク、この映画の監督、苦手なんだよね。ロックったって80年代のデュラン・デュランとかポリスでしょ? ボク、その辺は苦手なんですよ。そもそも前作の『はじまりのうた』も全くダメだったし。

原口音楽の趣味が合わないんじゃーしょうがない。こういう音楽モノってホント趣味の違いで評価が分かれちゃうね。その時にそのアーティストを聴いていたかどうかとか。

小川:まあ、そこですね。その代わり同じ80年代ロックでも『ロック・オブ・エイジス』は好きですけどね。要はデュラン・デュランやポリスが好きか、ボン・ジョビやガンズ・アンド・ローゼズが好きかですかね。

KANTO:音楽は全部素晴らしいのだけど、ストーリーが弱かったね。恋愛色が濃すぎてエグ味が足りなかったかなと。ちょっと惜しい作品でした。

小川:それで8位と9位にようやくボクのベストテンとのリンクがね。やっぱし、全くリンクないのと少しでもあるのは違いますよ~。それで、まずは8位の『リップヴァンウィンクルの花嫁』だけど、これはね黒木華の翻弄されぶりがもう面白かったし、何よりも久しぶりに岩井俊二を観たっていう感じでしたね。最近5年間で1本ありましたけど、ノーカウントで。岩井俊二のカムバックでしたね。

原口:どう転がっていくかわからない展開で面白かった。ある意味岩井俊二の復活作にして集大成と言っていいかなと。

小川:ある意味ですね。それと、9位の『ロブスター』は個人的には2010年代でも2位か3位の作品で、もうぶっちぎりでしたけど、この映画って試写室界隈では滅茶苦茶評判悪くて、「え~、この映画、好きなの~」って変態扱いされましたよ。そうそう、『リップヴァンウィンクルの花嫁』の時もそうだった。あの辺は高齢者にはダメだったみたい。

原口:不条理な世界で、寓意も強くて、好みは分かれる作品だろうけど。僕はベストテンに入れましたよ!

小川:ミヒャエル・ハネケとかラース・フォン・トリアーが好きな方向けですから仕方ありませんね。

原口:下位では、『マジカル・ガール』はかなり衝撃的で面白い映画だったと思うけど、順位的には17位とあまり振るわなかった。これ、面白いのがMUNEさんとKANTOさんの2人が1位で、他誰も入れてなくて20点なの。極端。

KANTO:個人的には1位から6位までほぼ同一なんだけど、エグ味が極めてたのが『マジカル・ガール』。こんな映画、今まで観たことなかったから。後からジワジワ来ました。

小川:あ……今回ね、試写or劇場公開で見逃したからね。10位の『セトウツミ』なんかもその代表作って感じでしたね。

原口:いまからでも見とこうよ! 『セトウツミ』なんて75分しかないからすぐ見られるよ。それにしても『セトウツミ』はベストテンの作品の中でも突出して軽い内容なだけに、意外なランクインだったかな。男が二人でくっちゃべってるだけっていうこの世界、好きな人には好きなんだろうな。関西弁ってところも好みは分かれるかな。

小川:う~ん、そう考えると観たらベストテンに入れちゃいそうな映画ですね。

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